日本にいながら留学や英語国への滞在なしに英語のスピーキングを独学で学ぶことは、簡単ではありませんが、不可能ではありません。
僕は無駄が多い方法でしたが、英語がまったく話せない状態で大学を卒業しました。その後、米国メジャースクールでMBA取得、外資系でマネージメントまで上がりました。
ただし、最低限会話できるレベルからの脱却して上級者になるのはさらに難しいです。この記事では、留学せずに日本で中級者・上級者となるスピーキング・スキルを身につけるための学習方法とコンテンツを紹介します。
「英語を話す量」のクオリティを上げて速習
僕の場合も、外国人の友人が周囲にいなく、日常で英語を使う機会のなかったので苦労しました。
そんな状態でも、サバイバル・イングリッシュ(最低限生活できるレベルの英語)を習得することは、自信さえもって話せば身振り手振りを交えてなんとかなります。そこから中級・上級への上達が高い壁として立ちはだかります。
最終的には「英語を話す量」が必要だと覚悟しましょう。
外国人の友人は周りにいないし、たどたどしい英語で話すのは恥ずかしいというのが多くの人が思うことではないでしょうか。英語を話す量を増やすのは難しいですよね。
計画的に学習することで、効率的に効果的に英語を話す時間を最大化する方法があります。日本で独学+アルファ程度でMBAのインタビューを合格した方法と、学習方法を紹介します。
スピーキング中級者になるためのインプット
この記事で紹介するスピーキング上達の目標は、サバイバル・イングリッシュではなく、ビジネスで利用できるレベルです。ビジネス・イングリッシュ上達のためにはインプットとアウトプットの両面が必要です。
アウトプットは友人がいなければ英会話教室に頼ることが現実的です。
僕が学習していた頃はこのような安い方法がなかったので、グループ英会話教室で安くする方法でした。現在はSkypeを利用したDMM英会話、オンライン英会話レアジョブ、ラングリッチなど比較的安価にできる環境があります。
オンライン英会話の比較記事はネット上に溢れているので、そちらを読んでいただくなり、無料トライアルで実際に体験してみることをおすすめします。
この記事では、安くなったとはいえ、貴重なお金を払ったネイティブと話す時間の価値と学習効果を最大化するためのインプットと日々の練習方法を紹介します。
英語でインプットして英語でアウトプット
この負の習慣をやめて、英語で浮かんだ言葉をそのまま英語で会話することが中級者への道です。
そのためには、一旦教材からも日本語が使われたものではなく、英語の教材で英語スピーキングを学びましょう。スピーキングの上達にはリスニングの上達も必要なので、英語の動画コンテンツを活用するとスピーキングとリスニングの両方のスキルが向上します。
スピーキングは脳で記憶したり理解するのではなく、リズム、アクセント、イントネーションを感覚を体で憶えることが必要です。恥ずかしがってフラットに発音するよりも、英語のリズムではっきりしたアクセントとイントネーションでしゃべると、伝えたい意図がはっきりと伝わります。
日本の英会話動画は会話の場面があって解説があってと、リズムをぶった切るコンテンツでしかもつまらない。中級者に向けて日本語が入った教材からは卒業して、英語のリズムでインプットできる教材を利用しましょう。
CAN-DOマインドセットを構築する
グローバルの昇進合戦に巻き込まれると、アピールの戦いです。できるできないは関係なく、まず自分ができること、考えていることを周囲に伝えて、自分が有用な人だと理解してもらうという戦いです。ここで壁の花になって黙っていても、知的だと認識してはくれません。
ネイティブは当然インド人も中国人もベトナム人も、なにいっているのかさっぱりわからない英語で、とにかく聞けと話をします。わかってもらうまで伝える努力を続けます。実際は不安だったり、英語ができないと悩んでいたりいろいろですが、まず、できる!という自信のもとに立ち向かうことが最重要。
失敗するなと思って実行すれば失敗します。難しいなと思って実行すれば難しく感じます。できると思ってチャレンジしなければならないということを大前提としましょう。
TIP#1:英語で考えてスピーキングをすることに慣れる
どれだけ地頭が良い人でも、リスニングして日本語で思い浮かべて翻訳して発生するというステップを踏むと時間がかかり会話が成立しませんし、日本語のフラットな文章が思い浮かべた後に、リズムが明確な英語に切り替えて話すのは不可能です。
高学歴な人が英会話をパズルのように行っていると語る人がいますが、毎回パズルをやるのは非効率ですし、疲れます。英語で考えて英語で話をするのは簡単ではないですが、コツや練習方法があります。楽に話せるスキルを手に入れましょう。
紹介する動画はアメリカ人の女性が解説している動画です。ゆっくりとはっきりとした発音なのでリスニングしやすいと思います。また、英語字幕もあります。動画を聞いて、実践してみてください。
動画の中では4つの方法が紹介されています。
1:DAILY ACTIVITIES IN ENGLISH
2:LISTEN TO MORE ENGLISH WITH NATIVE SPEAKERS
3:TRY GUESSING WHAT SPEAKERS ARE GOING TO SAY
4:LABEL OBJECTS IN YOUR LIFE
スピーキングが自分でもわかるほど上達したなと感じるのは「日本語から英語、英語から日本」を捨てて、「英語から英語」になった時です。この時、ものすごーーく会話が楽になるのを感じられると思います。ただし、そこまでの道のりは厳しいです、難しいです、習得に時間がかかります、だから今から始めなければなりません。
単語であれば、すべてを覚え直すことにはなりませんが、通常使う2000−5000ワードをイメージで記憶しなおす。時間かかりますよね。すぐに実践しましょう。
アプリをつかって短い時間でスピーキングを勉強
英語でビジネス英語のスピーキングをトレーニングできるスマホアプリがあります。無料のものも有料のものもありますが、スピーキングは有料のものをおすすめします。添付されているビデオのクオリティが圧倒的に高いです。いくつか紹介します。
Real English Business Course
Androidで勉強するTwo Minutes English
チームでトライするfluentU
TIPS#2:はっきりと発音する
恥ずかしいから口ごもる、ネイティブみたいな英語っぽい発音するのが恥ずかしいということで、ボソボソと話をする人がいます。日本語でボソボソ目の前で話していたら、どう思います?聞き取りにくいし、わかりにくいし、そもそも会話したくないですよね。
ネイティブのようにきれいな英語を発音できる必要はありません。LとRなど細かな発音に気をつける必要もありません。わかりやすい、はっきりと発生することは基本です。
口を大きく開ける
英語は大きく口を開けなければ発音できない言語です。中国語は大きく横に開ける必要のある言語です。日本語は比較的口を大きく開けなくても発音できる言語です。
言語の成り立ちによっての特徴なので、好き嫌いにかかわらず英語を話すときには大きく口をあけましょう。どういうイメージかというと、一語一語発音するごとに「あごが動く」まで大きく口をあけることです。
口を横に大きく開ける
英語以外の外国語を練習している時に指摘されたのですが、「e」や「i」の発音で口をあけていても縦にあけて口の奥で発音しているため通じないと言われました。
ビデオの中でも説明されていますが、横に大きく口を開けるという発音が日本語ではないため大きく口を開ける以上に意識が必要です。
口を大きくあけて、横にも大きくあけてと発音していると、ひとつひとつの文字をはっきりと発音することになると思います。これをするだけでもあなたのスピーキングはとてもわかりやすくなります。
一方で、口を大きく開けてしゃべると、ネイティブのような自然な英語にならないと言う方もいます。ネイティブにも口をあけずに話をする方もいますが、外国語として英語w話をしている我々は特に注意してはっきり発音した方がよいです。まず、伝える英語を話しましょう。
2つ目SYLLABLE(音節)を強調
アメリカンな英語の発音にするのであれば、2つめの音節を強く強調します。AmericanであればA-me-ri-canと4つある音節のmeをつよーーーく発音します。これだけで、とっても英語のように聞こえます。
無理にアメリカ人のように喋る必要はないのですが、英語で話す時のリズムがわからず、フラットにしゃべるぐらいであれば、第2音節を強くすることはリズムのある英語をしゃべる第一歩になります。
RとLは、アメリカ発音を使う
アメリカ人は多くの場合「r」は「r」と発音してません。「r」は「err」のようにえらく汚い発音になります。しかも第2音節を強調するのと同じように強く発音します。
あまり上品には聞こえないのですが、worldをきれいに発音しようとするよりも、woerrldと発音したほうがRとLの発音の違いを意識するよりも楽です。
このように英語は方言のカタマリです。イギリスやアメリカのニューイングランドだと、単語の最後にあるRを発音しないのでCarはCaになったりと方言の集合です。
ニューヨーカーに見られたい!などどこかの地域の英語を話したいという強い思いがある人以外は、存在する発音方法の選択肢の中から自分が使いやすいルールを選べば良いと思っています。
具体的な練習方法
具体的な練習方法は、生まれも育ちもドメな僕が、ネイティブに普通の発音が日本人っぽくないね、どこか留学していたの?と言われる程度に発音矯正した方法をまとめました。
僕は最終的に社会人で留学していますが、ドメな生活を送りながら発音はある程度矯正していて、実はその頃のほうが発音はきれいだった気がします。
TIPS#3:Phrasal Verbsを使って楽をする
Phrasal Verbsという存在をご存知でしょうか。これは、動詞(Verbs)と命題・目標(Proposition)が一体したもので、通常の会話ではPhrasal verbsを使います。
たとえば、exit, enterといった単語は、記述的で学術的な動詞です。 これがPhrasal verbsではget out, get inなどになります。
Academic verbs: | Exit, Enter |
Phrasal verbs: | Get out, Get in |
英語のテキストはこのような区分がなく、同じ意味でもたくさん単語があります!と書いてあるのですが、複数の単語があるのは意味があり、verbsとphrasal verbsの違いを理解しましょう。
Phrasal Verbsのメリット
通常の会話では、ほとんどの場合Phrasal Verbsを使います。Phrasal Verbsを利用することのメリットは、シンプルな単語の組み合わせを使うだけで、表現の幅が広くなることです。
スピーキングの壁のひとつである語彙が足りない、単語がわからないから話せないという問題を解決してくれます。
シンプルなphrasal verbsを意識的に利用して、使う単語を減らす、同じ単語を使いまわせるようにするというのが効率的です。
Phrasal Verbsの一覧(一部)
たとえば、主要な20個の動詞はプロポジションを組み合わせることで、60以上のPhrasal Verbsになります。多くの場合日常会話の動詞はこのレベルですべて間に合ってしまいます。
Verbs | Phrasal Verbs |
Bring | Bring up, Being on, Bring it on |
Call | Call on, Call off |
Cheer | Cheer up, Cheer on |
Come | Come up with …, Come up, Come in, Come across, Come forward |
Cut | Cut in, Cut off, Cut it out, Cut out |
Drop | Drop by, Drop in, Drop off |
Fall | Fall apart, Fall down |
Fill | Fill in, Fill up |
Get | Get away, Get in, Get out, Get around, Get along, Get back to, Get back at |
Give | Give out, Give in, Give up, Give away |
Go | Go out, Go ahead |
Grow | Grow up, Grow apart |
Hand | Hand out, Hand on, Hang up |
Hold | Hold up, Hold on |
Log | Log in, Log out, Log off |
Look | Look up, Look out |
Pay | Pay back, Pay off |
Put | Put on, Put out |
Take | Take off, Take out |
Turn | Turn off, Turn on, Turn around, Turn up, Turn down |
Work | Work out, Work (something) out |
Phrasal Verbと検索すれば多くの単語がでてきますので、ここでは一覧にはしません。意味モカ行きません。検索してみてください。
学術的に正しいVerbsは、英文ライティングやTOEFLのテストを受けている場合には必須です。なぜなら、Phrasal VerbsよりもVerbsの方がより具体的なため、正確な意図が伝わりやすいと判断されるためです。
一方、普段の生活をしている時の会話では、その場で説明を加えたり、ボディーランゲージを使って具体化することできます。正確で適切な単語を利用することを優先して、単語が思い出せない、思い浮かばないからしゃべれない、説明できないということを、Phrasal Verbsで避けるべきです。
TIPS#4:生きたセンテンスを憶える
そこそこ英語ができる方でもDUOなどを聞いて単語力をつけよう!としている人がいますね。ボキャブラリーに終わりはありません、常に新しい単語や表現が生まれているので、終わりなき旅ですが、単語の暗記に時間を使うのが効率的なのかは疑問があります。
よく使われる単語を憶える
現在使われている英語の単語は、170,000程度で、複数の意味を持つ単語が多いため意味別に算出すると700,000程度。アメリカ人のネイティブ利用するアクティブ・ボキャブラリー(よく使う単語)は20,000ワード程度という調査があります。
2万ワードというのは、結構な単語量ですね。
1000ワードや3000ワード覚えればという勉強法がよく紹介されていますが、海外旅行で使う程度ならともかく、ビジネスでとなるとそれなりの単語数が求められます。2万語なんて覚えられないから無理と思いますよね。
憶えなければいけない単語は目的次第です。DUOなどの英単語教材で学ぶ単語はTOEICやTOEFLを意識してる部分も多いので実生活・ビジネスでは滅多に使わないアカデミックな単語も多いので、そういった単語をおぼえるのは無駄です。
では、どう効率的に覚えていくのか?となりますが、日本語教材に頼らないというのが私の原則ですので、グーグルで「high frequency english vocabulary」と検索します。
結構な数の検索結果がでてきますが、こちらによく使われる単語が科学的にランキングされています。
例えば、Logic Of Englishというサイトが公表しているPDFには1700語程度をリストしています。
この単語リストをみて、ほとんど分かるというのであればそれほどボキャブラリーにこだわる必要はないと思います。
スラングを憶える
スラングというとFワードなど不適当な言葉を意識する方が多いと思いますが、英語が言語である以上新しい表現は日々生まれていきます。その中でも社会的なバックグラウンドを持った言葉は日々発生しています。生きた英語を理解することは、ビジネスの場面でも重要ですので知的な教養として理解しておきましょう。
TIPS#5:センテンスを利用シーンを想定して憶える
70万のアクティブボキャブラリーを記憶したとして、意味があるかというとそれほどありません。センテンスを作れなければ、コミュニケーションは成立しません。
どれだけ難しい単語を言えるよりも、丁寧な言い方、直接的な言い方、目上の人への言い方など、同じ内容でもTPOに合わせられる方が意味があります。
特にスマホが手元にあることが当たり前の中で、必要であればその場で検索できます。暗記することに時間を使うよりも、必要な量の単語を憶えたら充分、それよりもそのまま使えるセンテンスを蓄積したほうが効率的です。そして、センテンスは、スピーキング、ライティング、リスニングの学習をしていけば充分必要量を憶えます。
たとえばclarifyという単語を憶えるのではなく、3つのセンテンスがあります。
- We need to clarify a few details.
- Maybe you could clarify what you mean by that.
- Thanks for clarifying that.
この3つのセンテンスはシンプルですし、前後の文章も複雑ではありませんが、この3つを日々のビジネスの場面に合わせて、少しアジャストするだけで多くの場面で利用できます。それぞれのセンテンスは文字だけでなく利用する場面をイメージして記憶していきます。
ひとつめが「ミーティングでの発言」、ふたつめは「社内で部下と2人でミーティング」、みっつめは「クライアントとの会議中。」こうしていくと、記憶しやすくなっていきます。
さらに、その場の状況にアジャストしていくと・・・
- We need to clarify what client mentioned in the last meeting.
- Maybe you could clarify how you plan to market this product.
- Thank you for clarifying our questions on your feedback to our proposal.
前後の状況を加えていくだけであれば、それほど難しくないですよね。
時間は最大の資本です。単語の勉強に時間を使うのは無駄ではないですが効率的ではないので、他のスキル上達のための学習時間にあてましょう。
ビジネスシーン別のよく使われるフレーズは、以下のエントリーを参考にしてください。それぞれのフレーズを自分だったらどの場面で誰に向かって使うだろう?と考えながら何回か大きな声で口に出して記憶してみてください。
また、冬には寒さ、夏には暑さをどう表現するのかなど、連想しやすいコンテキストを記憶していくと比較的楽に使えます。
TIPS#6:アプリを使って利用頻度を高める
スピーキングはリーディングやリスニングに比べて独習が難しいスキルです。また、いきなりネイティブと直接会話したり、スカイプなどオンラインで会話するのはハードルが高いと思われる方も多いのでは?英語の学習効率を上げるには、自信を持って話せるマインドセットを保つ必要があります。
英語の学習方法も進化しています。テキストを読んでネイティブにチェックしてもらうしか方法なかった20年前と違います。たとえば、ELSA(English Language Speaking Aid)というテクノロジーを使った学習方法が確立されています。
自信を持てるところまでトレーニングできるモバイルアプリを紹介します。
Go Natural Englishでインプット
Go Natural EnglishはYouTube上にかなりの数のコンテンツが用意されています、そしてすごく楽しそうにスピーキング上達へのTIPSを紹介してくれます。
日本のコンテンツのように、途中で日本語がでてくる、生徒役がフラットな日本語英語で話してしまうといったことがないのでおすすめです。そして、彼女のはっきりしたイントネーションを真似してみましょう。とてもわかりやすくなった!とオンライン英会話の先生に褒められますよ。
アメリカン・イングリッシュを話すための8つのコツなどという動画があるほど、とってもアメリカンな発音です。イギリスやNPでスピーキングを学びたいという方は、別の動画を探してみてください。とはいえ、フラットな言語を操る日本人が、リズムが重要な英語スピーキングで上達するためには、アメリカ人のような強いリズムのある英語が実践しやすいと思います。
英文ライティングで英会話を鍛える
この記事では、スピーキングの初心者脱出のために英語で考えるための方法を紹介していますが、英会話は英文ライティングの学習をすることでも向上します。
クロストレーニングというのは、英語の学習でも他の領域でも有効です。サッカーに強くなりたければサッカーの練習だけでなく、ウェイトリフティングや走ることが必要です。同じように、英会話を鍛えるためにはライティング・リスニングのスキル向上が効果的です。
英文を書くためには、言いたいことをまとめる必要があります。主語・動詞と意識して英語で文章を書く練習をすると、言いたいこと、伝えたいことを英語に沿って考えるコツが身につきます。同時に、書いた英語は簡単に編集することができます。自分で添削することで、どういう表現をすればシンプルでわかりやすい表現になるのか蓄積されます。蓄積された手癖やコツをもとにすると英語で考えることが自然になっていきます。
具体的な学習方法は、下の記事を参考にしてください。こちらも英語で英文ライティングを学ぶということがコツになっています。