ネットフリックスが米国で月額料金を値上げ

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コロナ禍の影響も受けて大きく日本でユーザーを伸ばすネットフリックスが、10月29日に米国での月額料金を値上げしました。スタンダードプランが1ドル値上げの$13.99(1,450円)、プレミアムプランは2ドル値上げの17.99ドル(1,890円)となりました。

米国の値上げは2019年1月以来18ヶ月ぶりということで、日本のプランはスタンダード1,200円、プレミアム1,800円と、スタンダードプランについて日本はだいぶお安い国ということになります。NetflixはUSの価格上昇は他の国の価格に影響するわけではないと言っていますが、ネットフリックスは国ごとに順番に価格を見直しているため、米国の前にはカナダで価格をあげています。日本の価格も見直しがあるかもしれません。

ネットフリックスは過去7年間毎年コンテンツ制作へかける費用を毎年増額していて、2020年は18.5Bドル(1.9兆円)という金額と発表しています。コロナの影響で制作延期されたり、制作費の増加など変動していると思われますが、巨額の費用をかけていることは変わりません。

アメリカでは映画会社、テレビ局が本格的に動画配信サービスを立ち上げ、Disney Plus, NBC Peacock, HBO MAXといった競合との競争が激化しています。ネットフリックスは強豪の価格を意識していないと発信してきていますが、今回の値上げも競争に打ち勝つためにコンテンツ投資をより推進すると発表しています。

We understand people have more entertainment choices than ever, and we’re committed to delivering an even better experience for our members,

Netflix Spokes Person

HBO MAXの月額費用は$15(1,570円)ということで、まだ競合よりも$1安いということで、値上げする幅はあるということ、コロナの影響で制作が延期されたものを含めて2021年は2020年を大きく超えるタイトルをリリース予定などから、価格上昇によるキャンセルはそれほど発生しないと考えられているようです。

月額費用については、Disney Plusが$7、Apple TV Plusが$5、NBC Peacockが$9.99と比較的安い価格で昨年から今年にかけて開始され、無料の広告モデルをとるQuibiがタイトルのラインナップを拡大して人気を集めると、価格の争いになるかという予測もありましたが、価格よりもコンテンツ重視にネットフリックスは舵を切ったようです。

ネットフリックスは、2020年の前半にコロナ禍で大きく契約者を伸ばしたものの、需要の先食いをしているだけで通年での契約者は例年並みという冷静な判断を出していたりと、堅実な予測をしている会社なので、価格が上がっても成長できる目算がしっかりとありそうです。