ウォーレン・バフェットの株主への書簡から学べること

Letter ビジネス

オマハの賢人として投資の世界で注目を集めるウォーレン・バフェット。彼は、26歳にして$174,000を元手に投資を始めて、現在ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツに次ぐ世界第3位の資産家となりました。長期投資をすることで有名なバフェットは、現在コカコーラの10%の株式、コマーシャル・バンクのウェルスファーゴ、保険のガイコなど多くの企業で長期的な投資を行っており、平均20%のリターンを叩き出しています。

そのウォーレン・バフェットは、彼の経営するバークシャーハサウェイ株主向けに年次レターを公開しています。このレターは、ウォーレン・バフェットが世界経済、投資環境や企業経営についてどのように見ているのか、株主だけでなく投資やビジネスをする人であれば読むべきものとして毎年注目を集めています。

レターはバークシャーハサウェイのポートフォリオに関する情報だけでなく、ジョークやライフスタイル、自分の失敗談なども書かれているので、読んでいくと面白いのですが、この示唆に富んだレターから、各領域の名言・至言をピックアップしてみます。

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株式の保有について

10 years

バリュー投資、長期投資家として著名なバフェットは、株式投資の心構えや保有についてたびたび言及しています。例えば、1996年のレターでは“If you aren’t willing to own a stock for ten years, don’t even think about owning it for ten minutes”と、10年保有する気がないのであれば10分でさえ保有するべきでないと記しています。

株式を金融商品として購入すると、価格が気になりチェックして、買って売ってを繰り返すのではなく、企業のオーナーとして保有する心構えを持てば、短期の動きに惑わされることはないと断言しています。

投資だけでなくM&Aによる企業保有もするバークシャーハサウェイでは、買収でも投資でも同じアプローチを行なっています。例えば、自動車保険のガイコは1950年代に投資を開始し、70年代に大きく買い進め、1995年に50%の株式を握り、その後100%の株式を買い取り完全に買収しています。

動かないことの価値

slow

バフェットはゆっくり動くこと、動かないことの価値を長期投資家として推奨しています。その中でもアイザックニュートンの逸話を使って紹介しいてる文章が2005年のレターにあります。

“Sir Isaac Newton gave us three laws of motion, which were the work of genius. But Sir Isaac’s talents didn’t extend to investing: He lost a bundle in the South Sea Bubble, explaining later, ‘I can calculate the movement of the stars, but not the madness of men. If he had not been traumatized by this loss, Sir Isaac might well have gone on to discover the Fourth Law of Motion: For investors as a whole, returns decrease as motion increases.”

アイザック・ニュートンは、運動の3法則と言われる「慣性の法則」「作用・反作用の法則」「運動方程式」を提唱しています。そのニュートンは研究だけでなく様々なことに手を出しており、その中でイギリス史上最悪と言われる投機ブーム「南海泡沫事件」に多額の投資をしており、大きな損をしています。バフェットはこの逸話を紹介した上で、もしこの投機失敗がなければニュートンは第4法則として「投資家にとって、動けば動くほどリターンは少なくなる」という法則を発見したはずだと言っています。

南海泡沫事件 - Wikipedia

企業文化

house shape

マネージメントについて触れる中で、2010年のレターではバークシャーハサウェイのオフィスの家賃、家具などのコストについて紹介しています。これは、企業文化はその企業の仕組みに影響されるという彼の考えに沿って、バークシャーハサウェイの文化を紹介するためです。

レターでは、ウィンストン・チャーチルの「家のカタチを整えると、そのカタチが自分のカタとなる」という言葉を引用して、“Winston Churchill once said, ‘You shape your houses and then they shape you.’ That wisdom applies to businesses as well. Bureaucratic procedures beget more bureaucracy, and imperial corporate palaces induce imperious behavior… As long as Charlie and I treat your money as if it were our own, Berkshire’s managers are likely to be careful with it as well.”、官僚的なプロセスを導入すれば官僚的な会社に、帝国的・威圧的なオフィスには威圧的な態度が会社には生まれると言っています。

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このレターを読んで学べることは、人によって違いますし、興味を引く部分も違うと思います。彼のレターの面白いところは、読書人として有名なバフェットがアイザックニュートン、チャーチルや有名な書籍などを引用したり紹介していることです。

このため、単純に情報として読むだけでなく、知らなかった人を知ったり、逸話を知ることができることも大きな魅力です。1977年から続くレターはネット上で公開されています。ページとしてはA4で6−10ページ程度とそれほど長くありませんので、英語の勉強とでも思って読んでみてください。

Chairman's Letter - 1977

http://www.berkshirehathaway.com/letters/2017ltr.pdf

http://www.berkshirehathaway.com/letters/2018ltr.pdf