パッシブ投資:LCWDPAの考え方

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仕事や家庭になにかあっても対応できるだけのファイナンシャル・インディペンデンスを獲得するために資産を築くためには、節約、株式投資、副業から投資まで数多くの方法があります。その中で、LCWDPAと略される低いコストで広く分散された受動的なアプローチ(The low-cost, widely diversified, passive approach)は、できるだけ時間をかけず安全に資産を増やそうという考え方です。

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LDWDPAの方針

基本的には以下の4つの方針に沿ったものがLDWDPAと言われています。

・複数のセクターにまたがった良好で長期投資に向いた資産を国もしくはマーケットレベルで保有する

・基本的にどれだけ酷い市場環境にあっても保有する資産を売らない

・継続的に自由になる資金や利子・配当を再投資すること

・保有のためのコストをもっとも低く抑えること、家族があることでの節税やディスカウントなど1円単位で気を使い

これらの方針は、資産を増やすという面では他にも方法がありますが、過去の多くの局面であっても非論理的な感情による資産の処分や購入、資産管理に必要な時間、バランスシートやPLなどの勉強時間などの視点で考えた場合、アカデミックな研究の結果、効果的な方法として証明されています。

LDWDPAとインデックスファンド

LDWDPA戦略は過去流行り廃りはあったものの、効果的な方法として存在しており、その中でも最も手軽な方法として低コストのマーケット全体を対象としたインデックスファンドを購入して、定期的に追加購入をつ続けると、通常25年継続するとほとんどの場合他の方法よりも高いリターンを示しているとのことです。

LDWDPAのコンセプトとインデックスファンドを確立したのは、Vanguardという投資信託会社を設立したJohn Bogleです。彼はプリンストン大学でこの理論の研究をして、その後初めてのS&P500を対象としたインデックスファンドを販売します。このVanguard S&P500は、現在も最も資産の大きなファンドのひとつとして継続しています。

インデックスファンドを利用しないLDWDPA戦略

インデックスファンドは簡単な方法ではありますが、他の投資方法を利用することでより高い効果を追求することもできるとJohn Bogleも彼の著書に記しています。税制上、2000年代中盤に株式の売買に関わる税率が半分になっていたように、特定の株式を買ったほうが有利な制度が実施されている場合は、LDWDPA戦略やインデックスファンドのコンセプトを維持したまま個別株式を購入した方が高いリターンを得ることが可能となります。

例えば、ING Corporate Leaders Trustという1935年に設定されたファンドは、その当時にBlue-Chip(著名・有名)と言われていた企業30社の株式を購入し、その会社が買収されたり、破産しない限りはずっと維持するというファンドです。このファンドは、当初Standrd Oil Of New JerseyやSocony-Vacuum Oilなどの現在は存在しない会社がポートフォリオに組み込まれていましたが、現在は当然ポートフォリオには入っていません。ただし、Blue-Chipと言われる企業は破綻したとしても企業価値がゼロになることはほとんどなく、実際それらの企業はExxon Mobileなどの株式に交換されて、高い価値を維持しています。

つまり、LDWDPA戦略のコンセプトを維持していれば、インデックスファンドのように市場全体を代表したポートフォリオを投資会社が売り買いを繰り返して調整しなくとも、Blue-Chipの企業を購入して維持することで同じ効果が得られる可能性が高いということとなります。

時代を読めずに破綻した企業として著名な写真フィルムを作っていたEastman Kodakの株式も、多くのBlue-Chipが行う高い配当性向により回収できていたり、Kodakがスピンオフした化学部門が買収されてペイオフしています。単純に株式の価格だけを見ていると、株価は上がったり下がったりしていますが、株式は分割・スピンオフなど複数の方法で価値が変化していくものです。長期投資をする場合、この効果を考慮にいれておく必要がります。

LDWDPA戦略に向いている人

この戦略だけでが資産を構築する方法でない以上は、向いている人と向いていない人がいます。どんな方にLDWDPA戦略が向いているかというと、

・資産管理に多くの時間を割きたくない人、財務諸表を読む時間があれば、趣味や家族に時間を使いたい人

・感情や情緒が安定していて、上がるにしても下がるにしても大きな経済的な変化に対して反応しない人

・なにもしないことに耐えれる人。たとえ、もっと他に良いお金の使い方が思いついたとしても、なにもせずに淡々と同じことができる人

・同僚や友人からのおすすめや、彼らの前で頭のいい投資方法などを語りたいという欲望のない人