(まとめ)ライフスタイル・ブランド増加の理由

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Pexels / Pixabay

ライフスタイル・ブランドという言葉が、高級ブランドからアフォーダブルブランドまで打ち出していることが多くなりました。ライフスタイル・ブランドとはなんなのか、どうしてライフスタイル・ブランドが増えている背景を整理してみました。

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ライフスタイル・ブランド=基幹商品+アルファのブランド

現在、ライフスタイル・ブランドやライフスタイル提案 と経営戦略上謳っているブランドは、少し調べただけでもレクサス、SHIPS、ゴールドウィン、ビームス、プロント、ツタヤ、トップバリュ バス&ボディなど高級自動車からアパレル、果ては日本酒からスーパーのプライベートブランドまで2013年頃から目立つようになってきました。ライフスタイル・ブランドの大まかな定義としては、自動車や服などアイテムだけでなく、アイテムを使う時間を西海岸や南フランスなど文化の一部として紹介するということのようです。

疑問点としては、そもそも高級品やアパレルは、モードのようなシーズンがあるものでなく、匠の技を掲げていたとしても、ブランドの持つ世界観やライフスタイルを提案するものではなかったのか、なぜわざわざ言わなければいけないの?という部分です。ビームスなどは40年前以上の創業当時から西海岸のアメリカンライフスタイルを提案していたはずで、2012年にB-MING LIFE STORE by BEAMSというライフスタイル提案の業態をオープンしているのはなぜなのだろうか。
共有する要素は、ブランドの世界観やブランドのある生活の仕方や時間の過ごし方を提案するとしている。ライフスタイル・ブランドを他のブランドやスタイルと比較すると、下図のように一定の共通項を持つ複数の人をターゲットにしており、社会的なグループのシンボルとなるブランドという定義となる。

brand map

ただし、近年増えているライフスタイル・ブランドを現実的で散文的に表すと、メンズ・レディース・キッズ・雑貨・カフェなど複数の分野の業種を取り込んだ複合型ブランドをライフスタイル・ブランドとなっています。さらに批判的に書くと、小物の取扱を初めて、カフェを併設すればライフスタイル・ブランドです。

一方で、自ら主張しなくとも消費者から ライフスタイル・ブランドと認識されている、無印良品、スノーピーク、DEAN&DELICAなどのブランドは、高い顧客からのロイヤリティ(忠誠心)を持たれて、ブランドの哲学に共感した消費者が顧客化されており、所謂ライフスタイル・ブランド業態とは一線をかくしている。

ライフスタイル・ブランドが増える理由

引きこもり消費対策

Eコマースが拡大するに合わせて、消費者が高級ブランド、アパレル、本屋などのショップに足を運ぶことがすくなくなってきている。加えて、プロダクトだけに集中してしまうと、SPAなどの大量生産ブランドとの差別化がむずかいい。ライフスタイル・ブランドを謳う店舗の併設施設は、カフェから始まり、花屋、ヘアサロン、ミュージシャンのライブへと広がっている。買い物以外で時間を過ごす場所を店内に置くことで、消費者に足を運んでもらう中で、ブランドとの関係を構築しようという意図だと考えられる。

ショッピングモール対策

都市圏は別として、郊外ではショッピングモールへの集積が進んでいる。ただし、多くのブランドがショッピングモール内のショップでの顧客化に苦しんでいる。ショッピングモールでは、家族での来店が多く、レディース、メンズなどに特化した店舗は入りにくい、もしくは過ごす時間が短くなり勝ち。これでは販売員が時間をかけて顧客化する(スタイルを提案する、ブランドのコンセプトを説明する)という時間がとれない。ライフスタイル・ブランドと呼ばれるブランド設計にすると、レディース・メンズ・キッズや幅広い年齢層にアピールできる小物などで、幅広い客層が店舗内に入りやすく、同じ店の中で男性と女性が別々に過ごすことで滞留時間を稼ぐことができる。

店舗運営の効率化

店舗への流入人数が少なくなるということは、企業としては効率化を進める必要があり、結果として店舗スタッフが減少する傾向にある。ブランドの基幹を占める商品は、来店者のスタイルを理解し、提案し、顧客登録をという非常に手間のかかる、挙句の果てにショッピングモールの場合は同じターゲットのブランドが集積しているため、隣の店を見てくるなどと言われてしまう。一方で小物は、圧倒的に接客コストが低い。

顧客(リピーター)化しづらい環境下においては、1回だけ買うお客も多いため1回あたりの購買金額を高くする必要がある。小物やカフェに置いてある食品などは、ついで買いの誘発により客単価向上を目指すことができる。

製造小売(SPA)の限界

ユニクロを筆頭に、アパレルにかぎらず多くの分野で製造小売という業態に移行してきた。この業態は、トレンドや売れすぎの商品をスピーディーに低価格で提供するというビジネス形態だが、SPA化が進むほど、競合他社との差別化がされない、似たような商品という環境になる。その結果、付加価値が減少していくため、同質化をさけるためにライフスタイル・ブランドという名のもとに雑貨、花屋、音楽などをブランドのテーマに組み込んでいく。

本来のライフスタイル・ブランド

一方でライフスタイル・ブランドと消費者が感じている生活良品などのブランドは、商品は当然としてディスプレイや店内のサインまでシンプルなものを徹底しており、こういう部屋で暮らしたいと思わせる力があります。この徹底的な哲学が、ブランドとしての位置づけや価格の維持をもたらしており、海外売上比率が35%にも関わらず利益の43%を、アジアを中心とした海外で稼いでおり、従業品も国外比率が59%となっています。

国内市場が人口減少とともに縮小する中で、否応なく海外で稼ぐ力というのがブランドに求められます。スノーピークも海外展開をすすめており、確固とした哲学を持つブランドの普遍性を伺わせます。

まとめ:流通の業態変化がさらに進む

クロスセルと店舗パッケージのための切り口だけでできたビジネス・ライフスタイルブランドではなく、ライフスタイル・ブランドとしての哲学を作らなければいけないとまとめている方が多いです。小手先の考え方では通用しないと。

今回調べてみると、ライフスタイル・ブランドというモノが、ビジネス環境に要請されて作られたものだということを学びました。ビジネス京都弁をはなすタレントではないですが、ビジネスが起点になっていても、一定の需要があるものもあるので、一概に否定するべきものではないと思います。

加えて、多くの人がライフスタイル・ブランドとして賞賛する良品計画も、ずっとコンセプトを維持できたわけではなく、経営危機もありつつ、今のスタイルを発見し集中しています。ライフスタイル・ブランドとして試行錯誤していく中で、ブランドのメインストリートにあてられるコンセプトが発見できる場合もあると思います。

一方で、小売の業態変化というのが大きく進んでいるということも興味深いトレンドです。ドラッグストアの売上構成比は、すでに薬品でも化粧品でもなく、食品です。スーパーは生鮮食品に回帰、ベーカリー併設をすすめるなど、GMSはアンブレラブランド傘下にない専門店ブランドの拡大など、Eコマースが広がる中で多頻度の来店を促し、維持し、粗利の高い商品をクロスセルするという設計になっている。一方で、GMSや百貨店など役割を終える業態もあります。

「マツキヨ」「ドンキ」事例で見る小売業の差別化戦略流通・マーケティング革新の展開などの書籍を読むと、変化の激しい市場と各社が対応する戦略はとても参考になります。

ということで、今後もライフスタイル・ブランドというのは増え続けていくと思います。身近な小売店の変化は追っかける対象として面白いですね。

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