コンテンツマーケティングの事例:2017年のトレンド

5 KEY TREND 2017 ONWARDビジネス
5 KEY TREND 2017 ONWARD

コンテンツマーケティングは、企業の大小、B2BB2C問わずに重要性を増しています。マーケティングの中においての位置づけを明確にするとともに、コンテンツマーケティングの戦略、継続的なコンテンツの制作をする体制構築を進める中で、今後検討するべき要素として現在のグローバルトレンドを紹介します。

マーケティングテクノロジーのコンサルティングをしているMartech Advisor社のレポートによると、2017年およびそれ以降にマーケターが気をつけるべき大きく5つのトレンドが紹介されています。

 

 

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トレンド1:ライブストリーム

現在主流のテキスト・ビデオに加えて、ライブストリームの人気が高くなっています。プラットフォーム側もFacebook Live, YouTube Live, LINE Liveなどライブストリームを実施しやすい環境が揃い、スマートフォンからのライブストリーム閲覧も簡単にました。使い方としては、製品情報の紹介、工場など生産設備の紹介、チュートリアル、新商品紹介などが適しているとされています。したがって、潜在顧客やナーチャリング中の見込客ではなく、既存顧客や確度の高い見込客をターゲットすることになります。よりインタラクティブなセッションを通して、コンバージョンを高める効果がありそうです。

 

 

トレンド2:バーチャルリアリティ

電通イージス社がジェネラルモーター向けに仮想ディーラーを開設するなど、製品についてより深く知ってもらう、体験してもらう機会をバーチャルリアリティによって提供することが始まっています。現時点では、バーチャルリアリティの制作コストが他のフォーマットに比べて高いため、中小企業で活用するのは難しいでしょう。数年後には、動画の制作コストが大きく下がったように、バーチャルリアリティについてもコストが下がっていくと思います。いまのうちから先進事例に目を向けて、結果を確認しましょう。

 

 

トレンド3:eメール・ニュースレターの復権

ソーシャルメディアが盛り上がったこの数年ですが、フェースブックやツイッターのロジック改善の結果、たとえ消費者がブランドのページを「いいね」していたとしても、企業アカウントが消費者のタイムラインに表示される可能性は10%程度です。フェースブックなどプラットフォームは企業、商業アカウントのエントリーをタイムラインに出すよりも、個人を優先することがユーザーの利益になると考えています。企業アカウントが10%以上の露出を目指すのであれば、広告を出せということだと思います。

 

この状態の中で、ニュースレターへの注目が戻ってきました。直接顧客のもとへメッセージを届けられることは最大のメリットです。同時に、ニュースレターの開封率自体も上昇しているというデータもあります。

 

 

トレンド4:ストーリーテリングの重要性が引き続き高まる

オウンドメディアに注力して構築している場合は別として、コンテンツマーケティングといいながら企業と商品関連の情報、シーズナリティ別の情報をソーシャルメディアに定期的にアップデートしているだけのコンテンツについては、ソーシャルメディアでの露出が減っていることもあり早晩限界が訪れると予測されている。

日本でもWELQ、MERYの事件などを通して、ソーシャルメディアやサーチエンジンのあり方が問い直されている。フェースブック、グーグルなどのプラットフォームは、利用者が必要な情報にアクセスできることがプライオリティのため、消費者の役に立つコンテンツとそれを読ませる・見させるストーリーがなければ、露出機会はプラットフォームのロジックがアップデートされる度に減っていきます。その場合、コンテンツマーケティングは諦めて広告に集中してトラフィックを作ったほうが効率的でしょう。

 

トレンド5:プッシュ型広告の減少

アドブロックが話題になる中、あまり日本では大きな問題になっていませんでした。比較的広告主や媒体が大人しかったということもあるかもしれません。P&G、ユニリーバなどがグローバルでデジタル広告費を20%削減し、より健全なデジタル広告市場の構築を目指して発言することで、プラットフォームも対応を急がれています。

まず、アップルが自社のブラウザで第3者クッキーの制限を開始しました。結果、アップルプラットフォームでは、第3者配信型のリターゲティングが難しくなります。グーグルも、ブラウザの全面を覆うような広告は来年より禁止される方向です。日本ですと日経ビジネスなどが記事にアクセスしてもまず全面広告を読まされますが、あのような仕組みは今後グーグルの世界からはじき出されていきます。

このような環境において、プル型の広告であるコンテンツマーケティングはより注目が集まるということになります。

 

まとめ

2017年はデジタル広告の信頼が失墜した年となりました。ブラウザの一番下に表示され人間の認識外となるビューアビリティがない広告の問題、プッシュ型広告の削減や全面広告の禁止、ソーシャルでの商業メッセージやフェイクニュース拡散の防止など、多くの手が打たれていきます。

広告がなくなることはないですが、よりプッシュとプルを組み合わせたマーケティングが必要になるのが2017年以降の方向性になります。