World Economic Forumが選ぶ世界のハイテクな25都市

High Tech Citiesビジネス

深センの発展に驚愕して日本はもうだめだと絶望した26歳に共感・反論が一時期賑わっていました。インターネット鎖国で気づかれた独自の生態系で進む発展に危機感を持つのは当然として、では現状はどうなのか、自由主義の本山ワールド・エコノミック・フォーラムがビジネス・インサイダー誌と組んで、世界のハイテク25都市を選出しているので紹介。

 

 

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ハイテク都市選出の方法

10個のテクノロジーを測る要素を世界の85都市にあてはめて選出しています。QRコードでの決済のような都市自体のフォーマットに関わるものもありますが、生み出される技術力といったところも視点にはいっています。

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例えば、その都市で生み出される特許の数、広さあたりに生産される財、スタートアップの数、ベンチャーキャピタリストの数やスマートフォンの浸透度なども要素にはいっています。現時点の評価でありつつ特許やベンチャーなど将来・未来を想定されたランキングとして設定されたとのこと。

 

25都市のランキングと簡単な紹介

25位:ワシントンDC、アメリカ

アメリカの首都として政治の都市として著名なワシントンDCですが、テクノロジーのリーダーとして近年地位向上が進んでいるようです。近年生み出された仕事の50%は技術関連、1000以上のスタートアップがワシントンDCを拠点にしていうというのは驚きです。アマゾンの第2ヘッドクオーターの有力候補にもアトランタとともにワシントンDCがなっていますね。

24位:バルセロナ、スペイン

分離独立でも話題になったスペインのバルセロナがランクインしています。観光都市として成功する中で、インフラへの投資が進み、特にスマートフォンのインフラはもっとも先進的な機能を持っている都市のひとつ。

23位:コペンハーゲン、デンマーク

暮らしやすい都市の常連のコペンハーゲンが23位、都市やシステムのデザインには提供がありますが、スタートアップやベンチャーキャピタルの数が限定的ということでこの順位のようです。

22位:香港、中国

金融都市の香港は近年深センなどからの貿易の基点にもなっており、輸出入の50%をハイテクプロダクトが占めるなどハイテクビジネスについても一定の存在感を維持。都市としては強みがあるわけではないが、すべての評価項目で平均以上を出した都市。

21位:ベルリン、ドイツ

ドイツの首都ベルリンが21位にランクイン、盛んなベンチャー・スタートアップ文化がおし上げたとのこと。なかでも自動車関連のビジネスは世界最大で、世界のメジャーな自動車がすべての拠点を持っているのはベルリンのみとのことです。ベンチャーも自動車、AI、自動運転などがおおいようです。

20位:深セン、中国

話題の深センは20位にランクインしています。中国南部で1100万人の人口を持ち、中国のハイテク工場の中心でありつつ、ロボティクスに関して世界の中心として成長しています。ファーウェイ、オッポなど多くの中国系テレコム企業が本社を構えています。

19位:バンガロール、インド

深センを超え、昨年の49位から19位にジャンプアップしたインドのバンガロール。インドの首都ニューデリーよりはるか南の高原に位置する新興都市です。IT企業がバンガロールに拠点を構え、プログラマーの人口では世界最大級。インドは人口構成の半分はいまだに25歳以下ということで、成長余力がもっとも期待される都市です。

IT都市のバンガロールが高原ゆえに限定された都市設計がされていて渋滞が状態化する中で、ニューデリーの隣に設置されたグルガオンの発展も著しく、中国都市のランクインが増えていくようにインドも増えていきそうです。グルガオンは、デリーの拡張として作られた新興都市のため、空港からアクセスがよく、他のインドの都市よりも渋滞が少ないなど良いインフラを持っています。バンガロールのInternational Tech Parkは1995年に設置されたインド最初のテックパークと当初よりテクノロジーをひとつの基軸として設計・開発されてきました。

Bangalore ITP

インド生活で外国人にとってつらい食事関連も外資系のホテルなどが多く進出しているので、生活しやすい都市です。

冒頭に書きましたが、中国のデジタル環境は鎖国により自国作業を保護した結果、独自に進化している部分があります。一方、グローバルのプラットフォームが解放されるインドでのイノベーションは参考になることが多そうです。

18位:モントリオール、カナダ

インダストリアル・デザイン、プログラミング、ウェアラブルの世界首都のひとつとよばれるのがカナダのモントリオールです。あまり日本では話題にならない都市ですが、ウェアラブルでは大きな勢力を持ったコミュニティを擁しています。

17位:上海、中国

中国のビジネスの首都である上海が17位、浦東空港周辺のハイテクパークにはインテル、マイクロソフトなども拠点を持っています。

16位:北京、中国

スマートフォンの利用が都市全体、生活全体におよび、大学や中関村のハイテク企業研究施設から次々と登録される特許の数というのが高いランクを示しています。ただし、スタートアップの数は限定的、ベンチャー・キャピタルは大きく成長し中国全土をカバーしている。

15位〜13位

15位:アムステルダム、オランダ

14位:バンクーバー、カナダ

13位:ストックホルム、スウェーデン

国際都市ランキングの常連が順調にランクイン。

 

12位:東京、日本

インフラでは世界最高レベル、特に移動手段についてはもっとも発展。同時にベンチャーキャピタルへの投資や精度整備が進み拡大が進んでいる。

ということで、12位と一応中国系3都市よりはまだ上位という状態です。とはいえ、このまま中国、インドには抜かれそうですね。

 

11位:ダラス・フォートワース、テキサス州、アメリカ

この2年ほどでスタートアップのハブとしての地位を確立して11位にランクインしたのがダラス。ベンチャーキャピタルが拡大し、それにあわせて市のインフラがITで統合されたことが評価されたとのこと。今回のランキングで一番驚いたのはダラスが11位だったということでしょうか。

多くのホテルやイベント施設が積極的にリノベーションをしたり、EDMに特化した巨大なクラブができたりと、ベンチャーキャピタルが誘致されたことで副次的にカウボーイカルチャーは残しつつ、都市の変革が起きているようです。

10位〜7位

10位:シカゴ、イリノイ州、アメリカ

9位:トロント、カナダ

8位:シンガポール

7位:ボストン、マサチューセッツ州、アメリカ

6位:台北、台湾

Asus, MSI, Gigabyte, and Acerなどデジタル・ハードウェアを擁する台北が6位にランキング。インダストリアル・デザイン、ソフトウェアなどはアベレージのはるかに下ですが、それを上回るテック関連ベンチャー、ファクトリーの存在が台北を6位に押し上げています。

5位〜4位

5位:ソウル、韓国

4位:ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ

3位:ロンドン、イギリス

ロンドンは金融の中心としてハイテクベンチャーやインダストリアルデザインでも大きな都市で、世界でもっともプログラマーの求人が多い都市と言われています。

同時に、パブリック・トランスポーテーションの未来に関しての実験やプロジェクトが3位へと押し上げた要因となっています。古い都市にもかかわらず2018年には10の鉄道が開通するなど、インフラの更新とテクノロジーの活用が進むという局面にあるそうです。

 

2位:ニューヨーク、ニューヨーク州、アメリカ

1位:サンフランシスコ、カリフォルニア州、アメリカ

 

 

まとめ

シリコンバレーを擁するサンフランシスコを筆頭に、ニューヨーク、シンガポールなど上位はいつもの国際都市がランクインしています。一方で、50位やランク外からジャンプアップしてきたバンガロールやダラス、そして北京、上海、深センと新たな都市の拡大が進みます。

また、以下に整理したように50年で構築された新都市の上位へのランクしている一方、新規投資として著名なドバイなどはまだ上位には上がってこない状態です。

・シンガポール

・深セン

・グルガオン(ランク外)

・ドバイ(ランク外)

それでもインフラとしての東京はそれなりの位置を維持するだろうと思います。私は海外から食の多様性を理由に東京に戻った人なので、東京のはやはり頑張って欲しいところです。