英会話・英語学習には、話す・聞く・読む・書くという4種類のスキルを向上させる必要があります。
ある程度学習を進めていくとスピーキング、リスニングには困らないという方でも、メールで少し長い文章を書くと、わからないという反応が返ってくることも。仕事で英語を使うことが多い方へライティングスキルを向上させる効果と方法を説明します。
ライティングスキル向上の効果
僕はドメな社会人としてキャリアをスタートして、必死になって仕事で英語を使うようになりために紆余曲折してきました。
結果的に、それなりに英語を使えるようになりましたが、ビジネスで利用して恥ずかしくないレベルの英文ライティングは大きな関門でいsた。そこにたどり着くまでの悪戦苦闘は以下のエントリーにあります。
会話はなんとかなるというレベルまで到達した方も、それなりの長さの文章を書いていくとなると、I amとかI thinkなどから始まるような単文しか書けず、結果的に子供が書くような文章になってしまうという方、書くのに時間がかかってします方もいらっしゃるのでは。
実際に会ってIn-personの場合は、お互いの気遣いやジェスチャーなど言語を補完できる要素が多くなんとかなります。一方で、ライティングは書いたことだけが文字通り伝わります。
曖昧に記憶している文法知識、相手が気遣って言い換えてくれている語彙などが、書くことで炙り出されます。In-personでは問題ないが、電話会議が苦手という方もライティングスキルが十分でないことで意図が伝わる英語へと進化する場合があります。
正しく伝える英語のための英文ライティング
最低限「伝わる」コミュニケーションができるスピーキング、リスニングのスキルを確立した後は、一度ライティングに戻ると他のスキルも向上させることができます。
「伝わる」ではなく、正確に自分の意図を「伝える」ためには、適当になりがちな接頭語、時制、単数・複数なども使えるようにならなければなりません。
これらの細部は正確に使われていなくても、意図は相手に伝わります。ただし、これらの細部が理解のための必要なコストを下げたり、意図を正確に表現することを支援してくれます。これが、ライティングに戻ることで、スピーキング・リスニングが上達する理由です。
ビジネスで英文ライティングはさらに重要
メールでも書類でも、ビジネスコミュニケーションを英語の書面で行うということは、意思疎通のミスは、文字として残るため、自分や自社の責任として明白に残ってしまいます。
英語で仕事をするということは、欧米文化の下で仕事をすることになります。その文化の中には、文書化した内容(written)で合意をすることが含まれています。
Writtenのカタチは、契約書、メールやラインやSlack、ショートメッセージのようにカジュアルになっていますが、ライティングの能力は必ず必要になります。
リスニング・リーディング・スピーキングも上達
ライティング上達の為には、英語のルールや語彙をより深く理解する必要があります。
多くの要素を蓄積していくことで、会話においても知っている構成の文章や単語が増えることで全体文章の構造を早く理解することでリスニングが楽になります。
そして、言い換えながら会話していくことで躊躇せずに英語でスピーキングすることができます。そして、語彙力の向上はリーディングに直結します。
英文ライティング・スキル向上の効果させる方法
言語の習得は、最終的に、継続的に毎日アウトプットをしていくしか上達手段はありません。
しかも一定のレベルになっている方は感じていると思いますが、ひとつの勉強法がすべての人に適しているわけではなく、人によって最適な方法も違うと思います。
ただし、英語の文法は英語で学ぶことが効果的だと思います。英語のルールを別の言語のルールで学ぶことは複数のルールが混在し複雑になります。それよりも英語だけで学んだほうがダイレクトです。
英文法が曖昧という方は、一度学んでいる英文法を英語で復習してからライティングの勉強に入りましょう。教材を買う必要はありません、無料のサイトだけで充分です。おすすめサイトは以下のエントリーにまとまっています。
毎日英文ライティングする習慣をつける
習うより慣れろは言語習得の基本です。最低限のポイントを理解したら、毎日必ず一定量をアウトプットしましょう。焦らずコツコツとやっていくのがおすすめです。
そして文章は書きっぱなしではなく、レビューすることを心がけましょう。とはいえ、書くだけでいっぱいいっぱいで疲れてしまうという日もあると思います。
そこで、おすすめなのは、仕事のやること(TO-DO)リストを英語でメールに書いて自分に送ることです。自分にメールがくるので、読みます。自分でも驚くほどわかりにくい表現や冗長な表現があるはずです。
そうして自分の文章の問題に気づくことで、毎日少しづつ英文ライティング・スキルは向上していきます。どう英語で書いたらわからないという方は、良いTO-DO LISTの書き方を英語サイトで確認してみてください。
ツイッター、フェースブック、インスタなどを英語やバイリンガルで書くことも効果的です。もし知り合いや友人の手前英語で書くのが恥ずかしければ、新しくアカウントを作って書いていけば良いと思います。バイリンガルで書くと、外国人で日本語を学習している人が読んで直してくれることもあります。
主体と客体を意識してライティング
主体というのは「私」だったり「誰か」だったり「なにか物事をしている中心」のこと、客体は「認識や行動の目的」となるものです。
日本語は主語が省略されたり認識になったりと明確な主体がなくても成立する言語ですが、、英語は、主体・客体がはっきりした言語です。
たとえば、「明日はミーティングがたくさんある」という日本語は成立しますが、”Tomorrow is full of meetings.”という英語は、明日が私や他の誰かという状態になることはないため、文学的な表現でない限りは成立しません。
” I have meeting whole days.” であれば理解できます。とはいえ、まったく理解できないかというと、たぶん自分のことを言っているのだろうと理解できてしまいます。
とはいえ、以下の例のように、まったく意味が変わってしまう場合もありますので、常に主語を主体として意識しながらライティングをしましょう。
日本語: 16歳の頃に先生は単なる教師ではなく道を指し示す手本になった。
不適切な英語:At age 16, my teachers became life mentors rather than just instructors.
適切な英語: When I was age 16, my teachers became mentors rather than instructors.
ビジネス文書の場合は、「誰が」「なにを」したのか明確に記述することを求められます。省略や複雑な構文を使うよりも主体を主語にするのがわかりやすいです。
能動態と強い動詞だけを使う
日本語は主語が曖昧でも意味が通じる言語なので、代名詞を使った受動態の文章が頻出してしまいます。
まず、英語の表現の基本は行為者である主語が視点の中心となる能動態であり、受動態は例外だと記憶し直しましょう。受動態が利用できるケースは限定的なので、そのケースを理解することが重要です。
また、強い動詞を使うこともわかりやすい英語には重要です。
英文ライティングをしていると「言葉の言い換えをしましょう」や「同じ単語を何度も使わない」と書いてある教材があるのですが、なにを基準に書き換えれば良いのかわからず苦心していました。
しかし、強い動詞・弱い動詞の考え方を理解してから、書き換える基準を副詞+弱い動詞を避けるということにしています。例文を含めて、ポイントを以下のエントリーにありますので確認してみてください。
接続詞の語彙を増やし長い文章を書く
複雑で長い文を書くのではなく、短い文章と文章をつなげていくというのは難易度も低いですし、読み手にもわかりやすくなります。
無理に長い文章を書くよりも。積極的に接続詞を活用することをおすすめします。そしてなによりも、適切な接続詞を使うことで、あなたの文章が非常にロジカルで理知的な文章になります。
具体的な例を使って抽象的な表現は避ける
元読売巨人軍監督の長嶋さんは、擬音・抽象的な表現で有名です。ボールがぐぁーっときたらぐっとためて、うっと打ち返す、というような表現です。意味不明です。
ここまでではなくとも、我々は物事を抽象化して考えることをしています、すべてが具体的だと応用が効きません。ただし、日本語で抽象的に表現できたことも英語で表現しようとするとハードルがぐっとあがります。
ひとつの理由は、文化的な背景が違うことで、抽象化の前提が違っている場合があることです。進化論を当然の前提として進化を比喩に使ったとして、アメリカ人の40%は進化論の概念を共有できない人です。
抽象的なことを英語で説明する場合には、英語での表現の仕方に頭を悩めるよりも、具体的で身近な例を使って説明していくことが効率的です。
また、略語の使用も控えるべきです。社内文書の場合は、必ず略語を使うという場合もありますが、利用する場合も最初に定義をして2回目以降は略語を利用するようにしましょう。
無料の英文ライティング支援ツールに頼って書く
まず、マイクロソフトワードのオートフォーマットを使って、英語のフォーマットにしたがって書きましょう。一方で、マイクロソフトワードのスペルチェックは、最低限のタイポ修正を助けてくれますが、読みやすい英文、わかりやすい表現などを教えてくれるわけではありません。
英語で文章を書く ネイティブのライターが使っている編集支援ソフトが無料で使えることをご存知でしょうか?ネイティブライターと同じツールを使うことで、英文ライティングのスキル向上を目指します。
記述後に見直して編集する
記述した後の編集作業ができること、間違いや問題点を意識して正しい方法に直すプロセスはスピーキングでは難しいライティングでこそ学べる方法です。
必ず見直してツールを使って編集することをおすすめします。ただし、ツールを効果的に使いこなすためには、文章を編集する際のポイントを理解していることが必要です。ということで、英文編集のTIPSをご紹介します。
英文ライティング上達の考え方
いくつかのポイントをご紹介しましたが、ライティングの教材を複数調べていくと相反することが書いてある場合がけっこうあります。
コンマの使い方、パラグラフの最適な量ひとつとっても正解はなく、強い動詞・弱い動詞などの定義も具体的なものを強い動詞と説明する教科書もあれば、古語を強い動詞としているものもあります。極論を言うと、聖句や感謝を交えながら書くのが正しいと考えている方もいます。
この流派のようなものがたくさんあり、それぞれが正しいと思う方法だと主張しているのは、生きている言語なので避けようがないと思います。ただし、混乱しますよね。
英文ライティングツールに頼って編集する
では、どうするべきか?
僕の基本的なプリンシプルは、最終的には自分が心地よいと思う英文にするということです。どれほど英語として正しくても、自分らしくない表現は使いたくないです。
ただし、複数の流派の合成のような文章は読みにくいので、一定以上の長さの文章はツールで必ず編集するというルールにしています。
英語の編集を支援するツールはある哲学・考え方にもとづいて設計されています。ただし、多くの消費者を対象にしているためにGenerally Acceptedな考え方が利用されています。
結果的に、自分の心地よい英文と食い違っている部分もあると思います。その場合は、ツールでなく自分を信じて書くのが良いと思いますが、同時にツールを利用して違和感がある部分が「見える化」されていることが重要です。
意識的にツールの提案を無視するぶんには自分のスタイルを守るということになると思います。
とはいえ、我々は第2外国語として英語を使っています。日本語でさえ自分の思い込みで間違って理解している言葉や構文はあります。ツールに頼ることで、自分の知識をアップデートしつつ、generally acceptedな英語を書くのが現実的です。
無理に自分らしさにこだわるよりも、まずはツールを信頼することが上達への近道です。
英文のテンプレートを記憶して楽をする
SLACKなどメッセージアプリでクライアントとやり取りすることが増えて、カジュアルなライティングが多くなった今日このごろ。さっきまで略語だらけの英語を使っていた人間が、フォーマルなレターや契約書をサクサクと編集しているというのは「おっ!」と高い評価をえることができます。
日本人は、無謀にも白紙にゼロから書き出したり、書式は守るがゼロから書いたりという人が多いようです。一方で、外国人は素直にテンプレートに沿って作業をします。そして、テンプレートを自分のものにしていきます。
クリエーティブな英語表現をする作家にしたいのならともかく、ビジネスではゼロベースから作って憶えるよりも、あるものを使うのがスピードもクオリティーも高くなります。
加えて、職位がシニアになって責任の範囲が広く・重くなると、最悪の場合も想定しつつ正式な抗議を入れたことを証明する文章やメールを残すなど、これまで意識しなかった文書の重みを意識する必要がでてきます。
リーガルマターになってしまえば、弁護士におまかせできるのですが、その前に実施するべきことは我々で進めなければなりません。そして、抗議ひとつとっても抗議と誰がみてもわかる書き方というのがテンプレート化されています。それ以外を使っていると証拠として機能しないと判断されることもあります。
フォーマルな言葉はそもそも現代的な文法ではないケースもありますので、フォーマルなレターは記憶してしまいましょう。
英文ライティングスキル上達のための方針
我々ビジネスをやっている人間は忙しいですよね、英語だけに時間をかけるわけには行きません。あれも、これもと多くのことを気にする手間はかけられないのであれば、ルール化・テンプレート・ツールを上手に活用して、効率的に英文ライティングのスキルを上げていこうというのが僕の方針です。
漫然と文章を書くのではなく、自分なりの方針を作っていくことが上達の近道です。自分なりのルール・テンプレート・ツールのセットを作ってみてください。
論理的な文章を書く
機械翻訳の能力向上が著しい中で、英語学習に時間をかけるのか疑問という声があります。無駄な翻訳作業に時間を使うこともおおいですし、日本語で作業した方が早いので機械翻訳が進化して欲しいと思います。とはいえ、英語学習、特に英語・英文のライティングは無駄ではないと思っています。
ここまで、できるだけ英語ライティングを英語の教材やツールで学ぶ方法を紹介してきましたが、なかなか論理的で明確に伝える英語の文章が書けないという方は、日本語で論理的な文章について考えることも効果的です。
明確な文章のロジックや構成を論文から事項紹介のようなものまで掲載されている「論理的な英語が書ける本」はロジカルな文章の第一歩として最適だと思います。
または、なかなかモチベーションを維持できないという人は、英文法や単語のクイズに答えると子供を飢餓から救うことができるサイトもあります。同じ時間を使うのであれば、人に役立ってさらにスキル向上も目指せるという仕組みです。詳しくは以下のエントリーをご覧ください。