IOTにより破壊的イノベーションが起きている業界

ビジネス
jeferrb / Pixabay

4年後の2021年に2800億台のネットに接続されたデバイスが存在し、そのうち60%近くがIOTに関わるデバイスになると予想されています。2016年の世界のスマートフォンの出荷台数が13億台ということを考えると、異常な数のデバイスが今後ネットワーク化されていきます。人工知能、ビッグデータ、クラウドコンピューティングといった技術とIOTが組み合わされることで、多くの業界が破壊的なイノベーションにさらされることになります。

投資家はこの流れにのって確実に投資を進めており、投資案件自体はここ数年減っているにもかかわらず、2017年のIOTスタートアップへの投資額は、800億円を超え、前年比15%の成長を示すと予測されています。

日本での状況は、JETROのビデオが整理されていますが、グローバルの動きを確認してみましょう。

 

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IOTはトラディショナルな業界をどう変えるのか?

業界別にIOTがどのような影響を与えているのか、どのようなスタートアップが生まれているのか整理しながら、各セクターで起きている破壊的なイノベーションを確認してみようと思います。

 

自動車業界

走った分だけチャージされる自動車保険のように、これまで買取型だった自動車関連のサービスが、ネットにつながったセンサーによって重量課金型へと変化していきます。

 

IOTトピック

カーシェアリング、自動運転、コネクテッドカー、オンボード解析、カーテレマティクス

スタートアップ

Gogoro ゴゴロ

シリーズBで180億円の投資を受ける電気スクーター、バッテリー変換インフラの会社です。このバッテリー式のスクーターは、スマートフォンから管理することができます。月額定額制に加入することで、Gogoroのバッテリーセンターでバッテリーを交換することができます。

ChargePoint チャージポイント

世界最大の電気自動車チャージサービスの1社、シリーズDで155億円を調達した。チャージステーション向けのスマートネットワーク、クラウドサービス及び技術サーポートを提供している。

MetroMile メトロマイル
走った分だけチャージされるという新しいタイプの自動車保険のスタートアップ。シリーズDで205億円を調達した。自動車を使わなければ、走る量を減らせば、その分保険のコストも下がるという仕組みで、スマートフォンを通じて効率的に自動車を利用する方法を提案してくれるサービスを提供している。

 

製造業

3Dマッピング、3Dプリンターなどすでにある程度導入が進んでいるテクノロジーのさらなる進化が進んでおり、適用できる範囲がさらに拡大している。

 

IOTトピック

バイオメトリクス、3Dプリンティング、コンピュータービジョン、AR/VR、ロボティクス、スマートインベントリー(在庫管理)、マイクロエロクトロニクス

 

スタートアップ

Quanergy Systemクアナジーシステム:リアルタイム3Dマッピングの技術を持った会社で、工場内の障害物の発見、モノのトラッキングや認識などを実現する。シリーズBで133億円を調達した。工場内での自動化のために使われるだけでなく、運輸輸送、セキュリティ、空中でのマッピングによる自動運転などにも適用されている。

 

Carbon3D カーボン3D
次世代の3Dプリンティングを開発している。3Dプリンティングは、印刷後バリなど表面処理が必要となるが、表面処理まで施した仕組み。プラスチックのインジェクション・モールドを置き換える可能性がある。シリーズCで222億円の資金を受け入れ。

 

Guavus グアバス
IOTに関連したビッグデータの分析のためのリアルタイム分析アプリケーションを提供。センサーにより収集される大量のデータをリアルタイム分析することで、より効率的な生産ラインの管理が可能となる。

 

ヘルス(製薬・健康関連)

統合的なデータ共有の基盤を作ることで、治療の精度などをあげる取り組みが進んでいる。同時に、ウェアラブルデバイスでのモニタリングや治療が進む。

 

IOTトピック

ウェアラブル、バイオセンサー、患者モニタリング、疾患モニタリング、体内センサー

 

スタートアップ

Flairon Health フラティオンヘルス

グローバルのオンコロジー(がんの原因になる腫瘍)のデータをデータベース化している。医療従事者や科学者は、データベースを治療法の選択や治療方法の確立に活用することができる。フラティオンの目標は、病院や癌センターが同じプラットフォーム上につながり、腫瘍に関する治療のチャレンジを解決していくこと。たとえば、腫瘍マーカーのベンチマーキングなどを共有することで、治療法の変化を想定していることです。シリーズCで300億円以上を調達。

 

HeartFlow ハートフロー
医療用ソフトウェアのスタートアップで、ヘルスケア領域でイノベーションを起こしていると国際的に認識されている。心臓血管の治療において、検査の方法を進化させることで心臓病を減少させている。

 

Thalmic Labs サルミックラボ
アームバンドの装置によって、手や体の動きをキーにワイヤレスでコンピューター、スマートフォンなどを操作することがデバイスを発表している。

 

ホーム関連

 

IOTトピック

ホームオートメーション、スマートロック、スマートメーター、ペットモニター

 

スタートアップ

GizWits ギズウィッツ
家庭内の家電や装置をスマートフォンにつなぐシステムを提供、シリーズBで200億円を調達

 

Ring リング
ドアモニターのWiFI版、訪問者と会話したり確認することが家の外であってもスマートフォンからできる仕組みを提供。

 

eero イーロ
死角が多くなりがちな家庭内Wifiに対して、死角なく、スピードをどの位置でも維持できる仕組みを簡単にセットアップできるシステムを提供。

 

まとめ

IOTは自動車や製造業だけのものと思われがちですが、それ以外の領域にも大きな変化をもたらすことは間違いがありません。なぜなら、インターネットの登場で大きく変わった世界において、インターネットの仮想的な世界と実際の物理的な世界をつなぐというのがIOTだからです。IOTが今後のビジネスのあり方、政府のあり方、流通のあり方などを変えていきます。実際には気づかないような変化が徐々に始まっています。

 

自分の業界やプロフェッションにおいて、IOTがどのような破壊的な変化をもたらすのか理解して、新しいビジネスのあり方を模索し、自社のモデルを変化させていくことで、破壊的変化から生き残ることができます。コネクテッドの世界がさらにどの領域まで広がっていくのか興味深いですね。

 

さらにこの先の技術の進化についてはガートナーのレポートからまとめたエントリーがあります。

(最新メガトレンド)次の10年のデジタル・ビジネスの潮流
アメリカのテクノロジー関連の調査会社のガイトナーが毎表したメガトレンドの2017年版から、今後10年間で発展する技術やその影響を読み解きます。
(最新メガトレンド)次のデジタルビジネスーその2
次の10年のメガトレンドとされたTransparently Immersive Experience(透過的没入体験)を理解するとともに、その要素技術である、4次元プリンティング、ナノチューブ・エレクトロニクスなどを調べます。