2019年の(デジタル)ビジネスの予測

ビジネス

年末から年初にかけてメディア、コンサルティング会社、投資銀行など多くの企業が2019を占う記事やリリースを発表しています。ユーラシアグループのリスクでも最大のものとなっているように米中経済問題の中で、2019年の経済状況は不透明で、予想もかなり幅広い予想があります。

その中から、2019年に買収される可能性が高い企業、消える企業、そして次のAmazonになる可能性を持って大きく成長する企業を紹介します。

2019年に買収される可能性の高い企業

Citi bank, Goldman Sacksなどが今年買収される可能性が高いとレポートで示しているのは、FireTVのようなテレビにつないで動画サービスを見る機器とサービスを展開するROKU、この手のレポートでここ数年かならず名前が出るC2CのECサイトeBay、不動産関連情報サイトのZillowグループ、そして口コミサイト(レストランだけに限らない食べログのようなサイト)を提供するYelpです。

これらの企業は2018年に株価が大きく下がったこともありバリュエーションが低く、相対的にお買い求めやすいこと。株主にアクティビストが入っていて被買収提案をしている、同時に買収することで自社サービスを補完することができるキャッシュリッチな会社がTake Over Targetを探していることなどが理由となっています。

Roku

ROKUは、昨年プレミアサービスでユーザー数を拡大するとともに、積極的な広告によるマネタイズをしており、NetflexやAmazonに対抗してEC+広告ビジネスを展開するWalmartが購入先としてあげられています。

eBay

同じくWalmartが買収候補にあげられているのがeBayです。ここ数年堅調な成長を続けており中国版eBay, 楽天を運営するAlibabaグループが買収するのでは?という記事が出ては消えという状態でした。2018年から激しくなった米中貿易戦争の余波でAlibabaが買収するストーリーはなくなりつつありますが、Onlineを強化したいWalmart、USマーケットを確立したい楽天やメルカリといった名前もあがっているようです。

Zillow Group, Yelp

Zillow, Yelpはどちらも現在のビジネスドメインでは成長の限界と指摘をされていて、Strategic BuyerではなくFinancial Buyerが買ってStrategic Buyerが手を出しやすくするべきというストーリーのようです。多くの情報を収集しても価値があったとしても、マネタイズを確実にしていないと買いやすいビジネス形態にしろと言われるというのもたいへんです。

2019年に消えるであろう企業

引き続きテックノロジーセクターは堅調という予測が多い中ではありますが、どうにもならないのでは?と言われている企業も多くあります。現時点で利益をあげていても、代替手段が拡大していたり、サービスで問題を起こしていたりという企業は、2019年に退場する企業としてあげられます。

一方で、これらの企業が新たな成長の仕組みを作り上げて、企業価値や株価を大きく上げる可能性もあるという意味では、注目するべき企業ともいます。

GoPro

GoProはアクションカメラといわれる小型カメラにおいて、マーケットを作り、カテゴリーのスタンダードという位置づけを確立しています。一方で、誰もがアクションカメラが必要なわけではないですし、中国製を中心に安価な商品がAmazonにあふれている状態をみても、参入障壁はほぼないニッチビジネスということが言えます。

2018年末、昨年比38%マイナスの売上、収益も2017年から成長していません。そして、2018年も大きな損失を計上しています。GoProというカテゴリー最大のブランドには大きな資産があるため、先行きが見えない中でより大きな資本に買収されてブランドのみ残るというのが評価となっています。

Container Store Group

Container Store Groupは、キッチン用具、バス用品や家具などを販売する無印良品のような会社で、全米に80以上の店舗を展開しています。Bed Bath & BeyondやHome Depotといった競合やオンラインのプレイヤーが拡大する中で、2018年Q4の売上は3.1%あがりましたが、-0.2%の収益と増収減益という状態です。

GoProと違い大きなブランド資産があるわけでもなく、消費者のスイッチコストも小さいので、このままシュリンクする可能性も多いと言われています。

Southeastern Grocers

Southeastern Grocersは、アメリカ南部でBI-LO, Harveys, Winn-Dixie and Fresco y Mas grocery storesといったブランドでグロッサリーストアを展開しており、アメリカで5番目に大きなグロッサリーストアチェーンです。

流通小売業は2018年にトイザらス、Searsが破綻するなどAmazonなどのオンラインチャネルのプレッシャーにより破綻が続いていますが、この傾向は今後も続き、Southeastern Grocersは次の破綻企業候補として名前があがっています。

Fitbit

ウェアラブル端末の代名詞となったFitbitも2019年に退場する企業としてあげられています。FitBitは活動量計のパイオニアとして歩数、心拍などを計測するフィットネスの重要なツールとして拡大してきました。

一方で、iWatchが機能的に追いつき、宝飾・時計ブランドが同じ機能の商品を販売して、競争が激しくなる中で、大きな成長が予想できないこと。収益源として、FitBitの計測結果をその他のヘルスケア領域へと拡大するということができずに、ビジネスの継続に疑問符という状態です。

GoProとおなじようにFitbitも強いブランドをもっているので、中国系企業などの良いTake Overターゲットなのではないかと予想されています。

2019年に次のAmazonへと成長するだろう企業

2018年、株主価値で世界最大となったアマゾン。IPO時点からのリターンは100,000%という成長、これはアマゾンが本からはじまって広く流通、ヘルスケア、クラウドなど領域を着実に拡大していること、同時に未だに成長が期待されるGrowth Stockという位置づけを巨大企業となった今でも維持していることにあります。

次のアマゾンになる企業とまでいかなくとも、領域を拡大し、成長を継続する可能性をもった企業を複数の金融機関が紹介しています。

Workday

Workdayはクラウドベースの経営管理ソフトウェアを提供している会社です。

企業向けのソフトウェアはSAPとOracleが多くの企業買収を通じて確固たる立場を確立していますが、購入するソフトウェアからクラウドベース化が進む中でよりフレキシブルなサービスとして、人事管理ソフトウェアを起点に、財務、ビジネスアナリシスへと統合経営管理ソリューション化をすすめています。

SAP、Oracleが支配する領域で一定のシェアを確保していくのか、People SoftやPivotalのように既存プレイヤーに買収されてひとつのプロダクト・ブランドとなるのかここから数年のマーケットの変化は興味深いところです。

Shopify

Shopifyは小さなビジネス向けにECサイトをすぐに作れる仕組みを提供している会社です。

米国ではECサイトを作る際のスタンダードという位置づけを確立しているソフトウェアサービスの会社ではあるものの、既存流通からECへと変化する環境において拡大できるサービスの広さがShopifyがパッとしない業績と株価のわりに大きな期待があつまる理由のようです。

ECサイトの先には、決済サービスがあり、広告サービスがあり、物流支援、パッケージなど多くの領域があります。同時に、米国外売上は25%程度と小さい中で、着実にグローバル化、サービス拡大を一歩一歩すすめていくことで、将来的に大きなプレイヤーへと成長する可能性が指摘されています。

個人的には、その前にMicrosoft, IBM, Amazon AWSといったクラウドプレイヤーに買収されるような気がしますが・・・2017年に取り上げられることの多かったAirBnB, Uber, Matchといったプレイヤーからすると今年名前の上がっている企業はどこも小粒な感じもします。