日本での若者のビール離れが言われてずいぶんになりました、今年で14年連続でビール系飲料の出荷量は減っており、酎ハイなどのRTDが伸長しています。その中でモノ消費が成熟してコト消費へと変化と広告会社を中心に発信していましたが、ストロングなど手軽に酔える酎ハイの隆盛を考えると、コスパ重視になっただけのように思えます。
アメリカのビール市場も減少開始
一方で、バドワイザー、クアーズライト、ミラーなど巨大なブランドを築き上げていたアメリカのビール市場も、過去3年アルコール消費が減少を続け、その中でも過去5年間でビールの消費量は2.4%減少、ニールセンによると2018年から2019年に5%も国産ビールの販売量が減少する見込みとのことです。そして、ビールのかわりに糖質・カロリーの少ないアルコール飲料が伸長しています。ただし、同じRTDでも少し日本と違うようです。
ハードセルツァー
Hard SeltzerやSpiked Seltzerと言われるカテゴリーがビール消費の代替として大きなシェアを拡大しています。Seltzerというのはソーダ、発泡する水のことで、そこにHardやSpikedという刺激(アルコール)が加わった飲料のこと。ソーダにアルコールとフルーツのフレーバーがついたものになります。アルコールは5%程度と比較的マイルドなもので、とにかく飲みやすい。
White ClawというブランドがNo1ブランドとして200%を超える成長をしています。今年の夏には品薄で大騒ぎになったほどに席巻しました。アルコールが入っていながらほぼソーダというのがミレニアル世代に受けてインスタやYouTubeでも大騒ぎ。夏が過ぎても、White ClawをSanta Clawとかけたコスチュームで飲む姿が大量にソーシャルに掲載されています。
It’s ridiculously good. If I’m at a party now and someone offers me an IPA or a White Claw, I definitely take a White Claw
とWhite Clawより前に流行ったクラフトビールのIPA(Indian Pale Ale)よりもWhite Clawだ!ということで、クラフトビールに力を入れていたメージャーブランド各社も一気にHard Seltzerを発売しています。
サミュエル・アダムスというビールを販売するボストンビールは、ビールの販売が11%も減少、一方、同社が販売するソーダにアルコールとフルーツのフレーバーをつけた酎ハイのようなTruelyを拡大し100%以上成長しました。バドワイザーを作るアンハイザーブッシュインベブもBon & VivとNatural Lightというブランドを成長させるとともに、Bud LightというビールブランドにBud Light Seltzerというラインアップを2020年に追加してシェアの維持を目指しています。
White CrawやBon &ViViは見た目もおしゃれ。ソーダにサトウキビから作った醸造アルコールに香料入れただけなので焼酎を使った酎ハイやウォッカを使ったストロング系酎ハイより安そうだけど、イメージの勝利?
缶入りワイン
酎ハイと似たSeltzerとまったく違う動きとしては、ニールセンが2019年に73%の伸びを示していると発表した缶入りワインです。これまでのボトルに入ったワインをより手軽に楽しめるようにと発売された赤ワイン、白ワイン、ロゼの缶入りのワインが成長するとともに、さらに缶入りスパークリングワイン、フルーツフレーバーの入った缶入りワイン、サングリア、ワインのソーダ割り缶などラインアップを広げています。
缶のワインと言われただけで、ええ・・・と引きそうですが、そのイメージをもたせないデザインが広がりをつくっています。Beach Juiceというロゼワイン、Shampsというスパークリングワインとカジュアルなデザインで気軽に飲める感じですね。