英語がある程度できるようになってくると、「日本語だったら言いたいことや自分のアイディアをもっとクリアに伝えられるのに」という場面が増えると思います。文法が少々間違っていても英語は伝わります。ただし、明確に伝えるためには文法は基礎であり、子供のような文章ではプロフェッショナルと認識されません。自分の意図したイメージや内容を伝えたいですよね?そこで文法を学ぶにあたって、ある程度英語ができる方は英語のサイトを使って英語で英語の文法を学ぶのが効率的です。文法を学ぶ9つのサイトを紹介します。
なぜ英語で英文法を学ぶのか
なぜ英語のサイトかというと、英語で文法を理解しておかないと、文章を記述する際に文法に関することを考えた瞬間日本語に切り替わってしまうためです。日本語で学んでも英語で記憶されることもありますが、日本語で蓄積される知識のほうが多く、結果的に「翻訳」という無駄な処理を毎回ライティングのたびに行うこととなってしまいます。
また、英語で英語の文法を学ぶことは僕のようなズボラな人間には必須のステップでした。真面目にひとつひとつ構文や単語を憶えるのではなく、遠い中高時代に覚えた単語とビジネスで必要な表現だけを記憶して使っています。普段は困らないのですが、フォーマルな文章を書こうとすると馬脚があらわれます。文法はライティングを行う際の作法なので、私が知的で信頼に足るパートナーだと示すひとつの要素として、ただしいライティングを行うことが求められます。
また、新しい表現の仕方はネットを中心に生まれていきます。google, friendといった名詞がソーシャルメディアの登場で動詞になっています。英文法に関わる英単語を知らないと、新しい表現などを同僚などにどういう意味なのか確認するだけで右往左往する羽目になります。
英語で長文を書く機会は増えていく
社会人になってから、大学院でエッセイを書くのはともかくとして、ビジネス上で長文を書く機会はそれほどありませんでした。長くても1−2パラグラフ程度や、テンプレートに文章を差し込んでいくことが標準的です。また、昔ほどメールでのやり取りも減って、モバイルのメッセージやSlackなどで仕事をすることも主流になりつつあります。
そこで求められる英文ライティング力は、できるだけシンプルに短く伝えること。そして、図形や数字を使ってわかりやすくすることが求められていました。
しかし、このごろ同時に、英語で長文を書く機会も増えてきました。
アマゾンやアップルなどの企業ではパワーポイントを社内で使うことが禁止されるとともに、社内プロジェクトに参加するサードパーティーにもパワーポイントではなくNarrative (ストーリーや文章)で記述されることが求められることが多くなってきました。サードパーティーの作る報告書などはクライアントの社内でも使われるため、文章で存在していた方が使いやすいというのは理解できます。
英語の文章を学べる9つのサイト
Writing Forward
このブログはクリエイティブで魅力溢れた文章を書くことについてのアドバイスを掲載したブログです。
すごい情熱を持った方のようで、文法、わかりやすい文字量や表現などを紹介するエントリーがアップされています。時間を見つけてブログを読むだけで、文法と英文ライティングスキルを向上させるアイディアや学びがたくさんあります。また、SF風に書く工夫、キャラクターを引き立てる書き方といった、読ませる文章の知識は、表現の幅を大きく広げてくれます。
Lousy Writer
Lousy Writerというサイト名の通り、2000程度の単語とシンプルな文法だけを使って文章を作れば充分だということを証明するかのような、文例、書き方などを整理したサイトです。
このサイトが主張している「著名な政治家などは非常にシンプルな表現しか使っていない」というのは事実です。極論すると馬鹿でもわかる文章は、難しい単語や表現は使ってはいけません。そして、そこに専門職としてのスピーチライターの努力と知恵が注ぎ込まれています。
英語を外国語として学ぶ私達には、少ない語彙で強い表現をするための方法を理解することができる手法です。もちろん、スピーチなどの原稿を書く機会が多い方は、参考になるサイトだと思います。
Grammar Book
より文法についての知識に集中して自分の知識をリフレッシュしたい場合には、Grammar Bookが参考になります。文法、文法テストや文法に関してのクイズなど、飽きずに文法を学び直せるコンテンツが揃っています。このサイトもブログを持っていて、最新の表現や間違いやすい表現などはGrammar Bookのブログで学ぶことができます。
Grammariy
プルーフリーディングと英文法の側面から文章をどう改善するのか提案してくれるサイトです。このサイトは、英文ライティングのコーチ役ということを念頭に設計されているとのことで、Wordや他のツールと違い、なぜこの文法が間違っているのかということを詳細に教えてくれます。
マイクロソフトワードのSpell Checkなどの間違い防止の仕組みは、ツールに言われるがまま修正していくことになりがちで、あまり学習効果は期待できません。Grammariyをチェックツールではなく、自分のコーチ役として使うことで、ツールがなくても高いクロリティの文章が書けるようになっていきます。
Purdue Online Writing Lab
日本での知名度は低いですが、理系と経営学で高い評価を受けている米国インディアナ州にある公立大学のパデューダお額が英語学習用の約200のコンテンツをまとめたサイトです。ネイティブの高校生向け、第2外国語向けなど、難易度がわかりやすくカテゴリーに分かれているため勉強計画を立てやすいサイトです。
パデュー大学は宇宙工学ではMITに並ぶほどの名門で、アームストロング船長も卒業生です。ということで、宇宙関連の例文があるかと思いましたが、あまりなく。大学がまとめただけあり、網羅的な文法学習コンテンツです。
Chicago Manual Of Style
このサイトは元々150万部売り上げた教材からできたオンライン版のサイトということもあり、英語教材もありますが、有料になっているものがほとんどです。
ただし、オンラインのコミュニティは活発です。ウェブサイトなどで自習をしていると、誰かに質問したい、確認したいということはあると思います。その時に有用なフォーラムです。他の質問プラットフォームに聞くよりも、英語ライティングに集中しているため妥当な回答をえられます。
Grammar Girl
このサイトは統合的な文法を学ぶこれまでのサイトと大きく違います。Quick And Dirty Tipsというサイト上にあるだけあって、場面別やキーワードに引っ掛けて語感を楽しむような言い方をTIPSとして紹介しています。文章や言葉の使い方、表現の強さということを理解できるコンテンツがそろっています。あと、数字の1に関わる表現など、連想ゲームのようなTIPSシリーズがあり、これは記憶しやすくていいコンテンツです。
こちらで紹介しているサインポストランゲージのような、言い回しについてのコンテンツもそろっています。
Grammar Blog
中学・高校で学んだまま英文法の知識を放置してきたのであれば、文法についての記憶をリフレッシュするために最適なサイトです。よくある文法上の間違いについてのコンテンツが参考になります。毎日書いている中で自分も犯している間違いが多く、すぐに実務に生かせます。文法を体系的に学習するよりも、実務的に「してはいけないこと」を明確にしてくれるという意味では、Dont’sによりフォーカスしたサイトです。
ELEVATE
ただし、生産性向上のために複数の単語から意図を読み取ったり、単語の間違いをしてきしたりと文法と基礎的な算数の問題が多いため、とてもよくできた英語の勉強になるということで英語を学習している人に評価の高いです。日本語の脳トレも漢字や算数の問題をこなしていくので、同じような内容ですが、これを英語で提供してくれるのです。
あまり文法や単語などを気にせずとも、それぞれのゲームもよくできているので遊んでいると、単語や文の構成などの感覚が身につきます。無料ですので説明を読むよりもダウンロードしてやってみることをオススメします。
最後に、英文ライティングを学ぶ旅
紹介した10つのサイトすべてに目を通す必要はありません。時間をみつけて1つでも2つでもサイトの記事を読むと、参考になるTIPSや知識を学ぶことができます。また、より明確に魅力的に伝えるためのトリックを知ることもできます。
僕はプラクティカルに学習するのが好きなので、Grammar Blogを定期的に読みつつ、Grammar Girlでパンチラインを学ぶということをしています。目標は、 Lousey Writingの最初のページ書いてあるように、文章でもプロフェッショナルとして認識されることです。
LousyWriter.com wants you to become a good writer. Good writing makes you sound intelligent and makes you look professional. These two benefits alone have a positive effect in your business career and personal life.
英語では、アメリカ人やオーストラリア人でさえでさえダイレクトで明確なメッセージを、相手にわかりやすいように工夫した言い方で伝えています。日本人の英語は「アメリカ人はダイレクトに物事を伝える」という神話が広まっているかもしれませんが、メッセージがダイレクトであることと、言い方がダイレクトというのは違います。
結果、日本人は喋りだすとあまりにダイレクトに言うので心臓に悪いなどということを言われている場合も多々あります。日本人からするとまったく逆に感じていると思います。
こんなことが起こってしまうというほど、言語というのは深くて面白いです。伝え方の工夫というスキルを学ぶことで、よりよいコミュニケーションをしていくこと、わかりやすい文章で伝えることを日々学んでいきたいですね。
僕も先は長いなと思いつつも時間を作ってはサイトに行ってスキル向上に勤しんでいます。すこしでもこのエントリーが同じような方の参考になればと思っています。
定期的な点検をしましょう
英文ライティングスキルは会話に比べると上達した実感できる場面があまりなくて、地道な努力になります。英文メールに対して「英語きれいですね」と返信されることはほとんどありません。ツールを使って点数化で把握するのがひとつの方法です。
もうひとつは、定期的に添削をしてもらうことです。ネット上の添削サービスは安価です。3ヶ月ごとに添削を頼んで、フィードバックが変わってきているのか確認しています。例えば、ルーティングシステムズのサービスだと1回200円程度からの英文添削をしてもらえます。