コンテンツマーケティングの事例:戦略の作り方

ビジネス
PublicDomainPictures / Pixabay

コンテンツマーケティングが一般的な手法になってきました。一方で、コンテンツを作ることやコンテンツを広げるツールなど、戦術的な施策が目的に入れ替わってしまった結果、効果が疑問視されて中止されるプロジェクトも多いです。継続的にコンテンツマーケティングを実施するために必要な戦略フレームワークを紹介します。

 

 

スポンサーリンク

コンテンツマーケティングの現状

コンテンツマーケティングが重要になっていると言われだしてすでに5年以上が経過しています。Content Marketing Instituteの調査によると、86%のB2C企業、54%のB2B企業がコンテンツマーケティングは重要で今後投資を増やしていくと回答しています。

コンテンツマーケティングの形も、パナソニックのクラブパナソニックのように自社情報にフォーカスした方向もありますし、会計ソフトウェアサービスのFreeeが運営する経営ハッカーのように第3者的に製品・サービスを取り巻くカテゴリーについての方向もあります。カタチは違うものの、なぜコンテンツマーケティングへの投資が拡大しているのでしょうか?

 

マスメディアの衰退と限界と指摘する方もいますね。

実際は、広く短期間で伝えるという観点では、テレビ広告は未だにもっとも効率がいいです。テレビ広告が効かない、これからはデジタルだ!という論調がある一方で、モバイルゲームやアプリなどネット企業各社がテレビCMを大量に投下しているというのは皮肉ですが、テレビ広告が効果的であるという憑拠でしょう。

ケートスペードやマイケル・コースなどの20代女性向けと思われるブランドが新聞広告をやっているのは、新聞広告が効果的な消費者層がいるということです。では、なにが理由なのでしょうか?

 

ひとつには、インターネットとソーシャルメディアの拡大により、扱うことのできる情報量が増えたことがあります。広告は、15秒のCM、15段の広告のように、一定のスペースに収める必要がありますが、ネット上のコンテンツにはそのような制限がありません。

テクノロジーの進歩で、動画やウェブサイトなどの制作コストが下がり、顧客の細かなニーズ別にメッセージを切り替えるコストが下がったこともひとつの理由でしょう。

多くの情報量を顧客が自分で取得することが普通になった今、一方通行にメッセージを伝える広告だけでなく、コンテンツマーケティングにより顧客が知りたいことを伝える、顧客の知りたいニーズを充足することで、より深いブランドへの関与を実現することが、長期的な顧客との関係を作り、ライフタイムバリューを向上させるというのもコンテンツマーケティングへの投資が拡大している背景になっています。

 

 

コンテンツマーケティング戦略のフレームワーク

自社の商品やサービスについて言いたいことを書くのは広告もしくはプロモーションコンテンツであり、コンテンツマーケティングではありません。

せっかくコンテンツを作ってもターゲットに需要がなければ意味がありません。また、企業の中では独自の言葉が使われていることが多く、ターゲットが使っている言語を使わなければ、コンテンツまでただリつくことができません。そのため、しっかりとしたリサーチを土台にしたフレームワークを作ることが必要です。ここでは、コンテンツマーケティングの方針を明確にするシンプルな4ステップでの戦略策定フレームワークを紹介します。

 

 

1.コンテンツマーケティングの目的を明確にする

最初のステップは、計測できるコンテンツマーケティングの目的を整理し、その優先順位を設定することです。このフレームワークでは、コンテンツマーケティングをすることを前提にしています。したがって、新規顧客、カテゴリー参入、人材獲得など、ビジネス上の目的はすでに明確になっており、そのためにコンテンツマーケティングが適していると判断された上での戦略策定フレームワークです。

 

コンテンツマーケティングは、ひとつの施策が認知を上げる効果もあれば、人材採用に効果を同時に及ぼすこともあります。したがって、多くのことを求めても良いですが、優先順位を設定して、その目標に対して具体的な計測する目標値を持った計画をたてることで、商品周りのキーワードに関連したコンテンツを戦術的に作り続けてしまうことを避けましょう。

 

具体的な計測する目標値を視聴数などコミュニケーションの数字ではありません、ビジネスの目標になります。施策の効果を把握する上でコミィニケーションのKPIは重要です、ではなぜ具体的な目標を明確にする用にオススメするかというと、継続的な活動とするためです。

 

コンテンツマーケティングは、予想以上に社内のリソースを必要とします。ケーススタディを収集し、顧客の許可をもらうなど、通常の広告制作よりも社内コストは向上する傾向にあります。社内のリソースを消費することを理解してもらい、継続的な活動とするためにはコミュニケーション側のKPIではなく、ビジネス側のKPIを設定することが効果的です。コンテンツを作ることが目標になってしまうということは避けたいですよね。

 

多くの場合、以下の3つの目標のどれかに設定することになります。この3点の中から、コンテンツマーケティングが自社のマーケティングの中で果たすべき役割を設定し、優先順位をつけます。コンテンツは1つの目標に向けて制作したとしても、複数の効果をもたらすため、多くの効果を期待することは問題ないです。ただし、製品・サービスの現状から優先順位を設定することで、どのように社内外のリソースを活用するべきか判断することができます。

 

目的コミュニケーションのKPIビジネスのKPI
認知と見込顧客の獲得インプレッション

コストパークリック

資料請求

イベント参加

Eメール登録

個人情報登録

コンバージョンした見込客の中で顧客プロファイルに合致した人の数
見込客を顧客化接触したコンテンツ数

ナーチャリングコンテンツ接触

Eメール開封数

新規見込客の中でライブデモ、訪問、電話など顧客化された人数
見込客の評価と営業見込客のスコア

累計アクティビティからのスコア

リードの中で、営業がコンタクトした、ライブデモを要請したなど、具体的な関係作りに進んだ見込客の数

 

たとえば、自社の目標ができるだけ多くの見込客を発生させることであれば、認知と見込顧客の獲得をプライオリティにして、見込客を顧客化や見込客の評価と営業は劣後の目標とします。マーケティングオートメーションの導入など、統合的なアプローチでプロジェクトであればあるほど、上記の3つをすべて実施しようというプロジェクトになってしまいます。中期的に目標を変化させるとしても、現段階でなにを優先するのか明確にしましょう。

 

 

2.顧客視点でビジネスを整理する

次のステップでは、顧客視点で製品・サービスを整理します。 この作業をすることで、コンテンツのカテゴリー、トピック、アプローチを明確が顧客にもっとも関係があり関心があるのか明確にすることができます。すべての企業はなんらかの強みをもっています、それは流通の場合もあれば、素材のこともありますが、これが顧客の関心事であるとは限りません。

 

「顧客はドリルでもドリルの刃を求めているのではない、ドリルで開けた穴が必要だ」という有名な言葉があります。一方で、本来時間を確認するための腕時計は、昨今は時間を確認するのではなく時計そのものに価値となっています。結果が顧客の関心事であればそれに関したコンテンツである必要があります、商品の素材や手間に関心事であれば、コンテンツも素材や手間に集中しなければなりません。

 

顧客を顧客が求めている価値によりセグメントし、自社の商品・サービスを顧客視点で見直すことで、コンテンツの方向性が定まります。

 

 

3.マーケットとターゲットの整理

このステップでは、ターゲットのプロファイルをまとめていきます。効果的なコンテンツを企画するために、既存顧客からプロファイルするセールスプロファイル、ひとりの個人としてまとめることで理解を深めるペルソナ、優良顧客となる条件を整理したベストカスタマー分析を活用します。

 

カスタマープロファイリングと検索すると多くの方法がでてきます、どの程度データ化されているかなどによって活用する手法はかわります。プロファイリングにあたっての注意点は、属性の整理だけに留めないということです。顧客が複雑・手間だ・コストがかかっていると感じているペインポイント、自社の商品やサービスを購入の障害になってしまうバリアを同時に整理しましょう。整理した顧客属性、ニーズ、ペインポイントやバリアから、顧客をグループ化していきます。この段階では、いわゆるロングリストを作る作業ですので、対象を絞り込む必要はありません。可能性のある顧客を書き出して、データで補強していきましょう。

 

ここでもステップ2と同じように、顧客の視点で考えることが必要です。顧客の知識レベルはさまざまです、専門家とは限りません。専門家とみなされる会社の社員だとしても、新人や2年目の社員がリサーチをしているのかもしれません。顧客の知識レベルによって変わるニーズを整理して、それぞれのグループがどの程度いるのか、想定でもかまいませんのでボリュームとして数字化しましょう。数値化されたボリュームから優先順位を設定します。

 

 

4.コンテンツの企画

ここまでで、目的を明確化し、価値を整理し、顧客のセグメントが手元にあります。ここからコンテンツを企画していきます。誰になにを伝えなければいけないのかは整理がついていますが、ここで顧客のセールスジャーニーにあわせて、細分化をしていきます。セールスジャーニーは、例えば若手社員があるサービスについて調査、グループリーダーとそれぞれのメリット・デメリットを検討し推奨を設定、コストや導入スケジュールの整理、責任者との合意などと、購買における顧客の置かれているフェーズのことです。

 

よくできたコンテンツマーケティングは、このセールスジャーニーの各フェーズで顧客が知りたいと思っていることにあったコンテンツが用意されています。当然、制作にあたってはステップ1で決めた目標に合わせて、投資の濃淡を設定していきますが、顧客セグメントと価値のグループごとにジャーニーを記述していくと、ジャーニー上の共通点を発見することができます。共有点が多く多くの目的を叶えることができるコンテンツは当然、コスト効率が高くなります。ステップ1のプライオリティが低い部分については、コスト効率を高める工夫が必要になりますので、グルーピングによって整理しましょう。

 

グルーピングするにもフレームワークがあると便利ですね。細かくなりすぎてもまとめにくいので、問題点を理解するフェーズ、ソリューションを検索するフェーズ、自分に適しているのか適合性を検討するフェーズの3つのフェーズで整理することをおすすめします。

 

フェーズ問題点を理解ソリューションを検索適合性を検討
顧客セグメントAが求めていること先進的な課題や有識者のチャレンジ製品・サービス・競合環境と優位性信頼性・コスト・サポート
コンテンツの切り口・トレンド

・ベンチーク

・リサーチやレポート

・初級教育

・ガイドブック

・他社事例

・ソリューション

・機能性比較

・優位性比較

・ベンダーの評価

・価格

・人材

・他社事例

・ROI/TCO

・購入方法

・ケミストリー

 

 

まとめ

シンプルな4ステップでの戦略構築の手法を紹介しまいた。コンテンツマーケティングを実施する際に、コンテンツを作ること、そして定期的に配信することが目的とならないように、大きな方向性を作ることは重要です。同時に成功への回答が用意されているわけではないので、戦略の検討にあまりに時間をかけるよりも、作りながら戦略をアジャストしていくことがコンテンツマーケティングの成功の近道にもなります。

 

すべてを網羅したリサーチをするためには、すべてのグループやフェーズごとに、興味のあるキーワードや文脈をサーチやソーシャル、有識者や顧客へのインタビューをしていくことになり、現実的ではありません。ドッグイヤーと呼ばれる変化の激しい現在、顧客側の要請も短期間で変化していきます。

シンプルで変化に対応しやすい戦略を短期間で構築し、制作や配布に挑戦していくことが効率的だと思います。

 

戦略ができた後は、実際にコンテンツを作っていきます。コンテンツとして代表的なケーススタディを継続的に制作する方法は、こちらを参考にしてください。