ジェフ・ベゾズが唯一尊敬するECの創業者、ZapposのCEOトニー・シェイの推奨する本

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顧客サービス

geralt / Pixabay

アマゾンのCEOジェフ・ベゾズはワーカホリックで、仕事のやり方もアマゾン式の考え方を買収した会社に徹底的に適用してビジネスを拡大してきました。その中で、唯一独自の企業文化や自律的な経営が許されているのが、アマゾンが2009年に買収したザッポスという靴のECを行っている会社です。日本には進出していませんが、2010年に発売された「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説」という本で注目を集めました。

2009年よりアマゾンの傘下に入りましたが、アマゾンに買収以降も業績を伸ばしており、買収される前にくらべて約3倍3000億円の売上を実現しています。その原動力になっているのが、圧倒的な顧客中心主義で、

・1年以内であれば返品無料

・ホスピラリティあふれるコールセンター

・靴以外の問い合わせにも対応する顧客サポート

ということ日本人が得意としているきめ細やかなサービスやホスピタリティーをつづけており、そのために企業文化にあった人のみを採用するなどベンチャーらしからぬ仕組みをとっている。一方で、デジタルマーケティングでは、リターゲティング広告を当初もっとも効果的な活用したことで有名になるなど、新しいテクノロジーや手法は次々に取り入れることでも有名です。

ディズニーやリッツカールトンなど、顧客サービスについて有名なブランドは、その顧客サービスについてさまざまな伝説を持っています。ただし、ビジネスにとっては高いマージンをとっている高級ブランドや嗜好品を除くと、顧客サービスに使える減資というのは限定されおり、実施できるかというと躊躇することが多いのも確かです。そのディズニーを凌駕するような伝説を、靴の流通というマージンが限定的なビジネスにおいて次々と作り上げて、毎年成長を続けているザッポスは、顧客サービスを考える上で、非常に参考になるケースになります。どのような伝説化は、前述した「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説」を読んでみてください。

実際、1999年の創業後成長する中で、ロジスティクスを外注した結果、サービスの悪化を招きあっとういうキャッシュフローの問題をかかえたと言っています。その程度というつもりはないですが、マージンが大きくないというのが理解できる話です。同時に、ザッポスのコア・コンピタンスは倉庫とコールセンターと明確に設定しています。日本では、コストセンターとして扱われがちな機能ですが、これを競争力の源泉としているところも注目される理由だと思います。

そんなトニー・シェイが スタートアップやカスターマーサービスなど、ザッポスの企業文化を作る上で参考にした本を紹介しています。

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サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 チャディー・メン・タン

Search Inside Yourself by Chade-Meng Tan, Daniel Goleman, Jon Kabat-Zinn

この本をトニーは、感情をコントロールする実践的なガイドブックで、生活と幸せを変えるポテンシャルを持った本だと紹介しています。実はEQという概念が私はあまり好きではありせん、IQを元にしたランキングを付けるような言葉が幸せにつながるというのが理解できなかったのです。同時に、EQなど一つの考えに固執している方というのは、他者に対する共感性を失う傾向が高い気がしてきました。

ただ、原文では、Emotional intelligenceという考え方で統一されていて、平均的なリーダーだったとしても企業社会におけるインテリジェンスは優れており、リーダーシップや共感性をなくすことなく、感情を知的に活用することで、仕事をより効率的に行っていく手法を説明しています。

ということで、この本はマインドフルネス信奉者に毒されないように、原書を読まれることをおすすめします。邦訳版はこちらにあります。

しあわせ仮説 ジョナサン・ハイト

The Happiness Hypothesis: Finding Modern Truth in Ancient Wisdom by Jonathan Haidt

この本も幸せについて扱った本です。ひと昔前に流行った、ポジティブ心理学やヒューマニスティックといった活動は、実証的な研究に乏しく、科学的でなく、オリエンタリズムの神秘主義に科学風のタイトルをつけただけの冒涜だと思っています。

その中で、ジョナサン・ハイトの書籍は、古来の哲学、宗教、社会学という過去に蓄積されたアカデミックな叡智を元に、脳や神経科学の発展を取り入れながら、幸せの在処といのも多様的であることと、どう生活に取り入れるべきなのか具体的に、現実的に説明しているところが好感を持てます。

トニーは、コミュニティを作ったり幸せを語ることも多い中で、脳みそがお花畑な人に本の推薦を頼まれたりしたことが多いそうです、同時に、良いビジネス哲学や法則に貢献しないような本を読む暇はないと、一線を引いています。そのトニーが、もっとも重要な本のひとつとして推薦しています。幸せは結果でなく過程にあり、リーダーは、コミュニティの幸せを作りガイドするというのがザッポスの文化と成功の1面を作っていることは確かだと思います。

こちらも訳書がどうにもハッピネスな装丁や訳になっていまして、できれば原著をおすすめします。邦訳版はこちらにあります。

天才! 成功する人々の法則 マルコム・グラッドウェル

Outliers: The Story of Success by Malcolm Gladwell

モーツァルト、ビートルズ、ビル・ゲイツなどがなぜ成功したのかを紹介した本になります。邦題が成功する法則を教えてくれるような題名ですが、かなり逆のことを言っています。成功は資質やタレントよりも、周囲の環境、一緒にいる人、生まれたその時代の人々や常識および家族に深く根ざしているということを書いています。そういう意味で、この本を読んで人の多くは、すでにある一定のキャリアを持って、家族も持っている方が多いので、なにかこの本をもとに行動を起こすことはできないかと思います。1万時間の法則という1万時間やっていればその間にアウトライナーと同じような機会がどこかで訪れるという程度で、その際にその機会に気づきリスクとをとれるかはまた別問題として語られています。

トニーは、成功するストーリーがただ好きということと、ビートルズやビル・ゲイツのような時代を変えた人だったとしても、自分ひとりで成し遂げられることの少なさというのを実感し、自戒することが必要だとして、この本を推薦しています。

まとめ

トニー・シェイは、カスタマーハッピネスやアメリカ西海岸の文化の象徴的に語られることも多いですが、彼が推奨いている本を読むと、科学的・実証的な書籍を推奨していて、地に足をついたアントレプレナーとしての側面が感じられます。

自己啓発本やマインドフルネスという領域が科学的なアプローチが少なく好きではないのですが、その中に埋もれている、本当に価値のある提言や考え方というのもあるのだと理解させられる体験でした。無駄な本など読んでいられないという実践主義のビジネスパーソンのもオススメです。

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