モノのインターネット(IOT: Internet Of Things)は、「モノがインターネットに接続され情報交換することで相互に制御する仕組み」と定義されています。1980−90年代にスマート・デバイスやユビキタス・ネットワークと言われていたものと基本的には同じ、意外と古くからある概念です。
モノのインターネットの世界
モノにインターネットに接続されていること、情報交換するために現状を認識する音、光、熱、場所などさまざまなセンサーが搭載されていること。この2点がIOTの肝になる部分。
より具体的なユースケースとして、IOTが生活やビジネスにもたらす未来は、IBM、シスコ、NEC、富士通など多くのIT企業が「IOTのある未来」を紹介するビデオを作っている。
これらのビデオはよくできています。アニメーションもわかりやすく、技術の概論は理解できました。しかし、身近なビジネスになった時に具体的にどんな効果が期待できるのか、発想に乏しい僕にはどうも「実感」がないと思っていました。
という中で、はてブで多くのブックマークを集めていたASCIIに転載されていた「アキバで買った50円のセンサーで4億円の削減効果! 中小製造業のIoT成功例」という記事を読んだところ・・・なるほど!そういうことか!と。
いまとってもIOTが身近です!カイゼン万歳!
動画を診てもらうか、記事を読んでもらうのが一番わかり易いですが、どんな内容かというと・・
愛知県碧南市にある旭鉄工という中小企業の取り組みを紹介。
木村社長が光センサーや磁気センサーを秋葉原へ行って数百円で購入。
たとえば、設備の運転中を示すランプに光センサーをガムテープでつける。
その設備が停止すると光が消えるので光センサーに消えたという状態が送られる。
そして、その状態はインターネットを通じて、サーバーに送られる。
これを蓄積することで、設備の運転時間が正確に把握できる。
あとは、最大化するためのカイゼン活動を推進。
最終的に4億円以上の設備投資の削減、労務費で1億円の削減というから驚きですね。
IOTという言葉やITベンダーの紹介資料から受ける印象は、大規模、社会インフラ、大きな投資というイメーです。小さな投資からスタートして、IOTでなにができるのか知って活用する。こんなに腹落ちしたケーススタディも久しぶりです。
もちろん、このケースはIOTのごく一部であり、IBMやCISCOが言うもっと大きな可能性がIOTにはあります。しかし、現場にしっかり根付かせたこの取り組みは魅力的です。
思わずもう一度リピートして見てみると、ビデオ冒頭の木村社長の言葉、
たぶん、我が社のシステムの方がずっと使いやすいのと、多分値段も我が社の方が3分の1とかでできている。
これが、自信にあふれていてカッコイイ。
なにより驚いたのは、このビデオだけではありませんでした。
このビデオが独立行政法人JETROという公的機関で作られているということ!
「世界は今 JETRO Global Eye」というYoutubeチャネルは面白いです、ためになります、視てるとワクワクします。もしあなたが、和風総本家、ガイアの夜明けのようなテレビ東京の番組が好きだったら、すぐにチャネルに行って見るべきです。
他にもIOTのビデオ
食の地域ブランドのビデオ
再生医療
職人の地域ブランド
まだ一部を見ただけなのですが、面白い、止まらない。まだまだ多くのビデオがアップロードされています。
日本のIoTの歩みを実感できる
プロダクションのクオリティはそれほど高くない。カメラは暗い、アングルはおかしい場面が多い、全体的にきれいな映像というわけではないです。出演者もカメラの前にでる指導がされていないようでしかめっつらで話をしている人もおおい。しかし、中小企業、職人などが、リアルに描かれていて、下手に作られた映像よりも没入できる。
残念ながらこのYoutubeチャネルは、たった、本当にたった4500人にしかフォローされていない、ビデオの歳数回数も平均すると1000−1200件程度。けど、このクオリティはすごい、ファンになった。もっと、みんなに見てほしい。こんなに良い取り組みなのに、とっても残念。JETROはYoutube TrueViewやFacebook Video Adなどを使って、コンテンツの存在をアピールするべきでしょう。そして、なにより、
JETROさん、是非これからもつづけてください!!!
グローバルの動き
グローバルのIoT関連作業は、莫大な投資資金をバックにとてつもないスピードで製造業以外の領域にも広がっています。そちらは、別のエントリーにまとめてみました。