外国人はプレゼンが上手い、プレゼン資料がかっこいい、TEDのプレゼンテーションはすごいと言った話をよく耳にします。
スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションやスピーチを見て、誰しも一度はどうしたらスティーブ・ジョブズのようなプレゼンができるようになるのかと思ったのではないでしょうか。
日本人と外国人の違いとは
いきなり世界が認めるプレゼンテーションの達人であるスティーブ・ジョブズのようになるのはハードルが高いです。日本人はプレゼンテーションが一般的に下手と言われていますが、アメリカ人でもプレゼンが下手な人は多くいます。
どんな違いがあるのか、プレゼンテーションの準備をしている様子をみると、下手な人に共通する行動というのが見えてきます。
- 手書きをせずスライドを直接書き出す
- シナリオがなく、言いたいことを並べていく
- ゼロから書き出し独自のデザインをする
- 見た目にかける時間を計算していない
この中で、日本人と外国人で大きく違いがでるのが、日本人は「ゼロから書き出し独自の手法を取ろうとする」ことが多く、外国人は「会社が用意しているテンプレートを忠実に使って、一番肝になるキースライドだけ手をいれて終了」という人が多いです。
しかも、キースライドに手をいれると言っても、一番言いたいことを1ページに大きく書くだけだったりします。
日本人はなぜか、テンプレートを買うのではなく、デザイン集やポンチ絵集を買ったりネットから拾って、自社やクライントのロゴを一から貼ってみたりと、とてもユニークな作業をしています。残念ながら私を含めてすべての人がデザインのセンスがあるわけではありませんし、専門的に学習したわけではありません。
独自の手法は、本人の満足以上の結果をもたらさないことが予想できます。
一方で、外国人が多用する会社が用意したテンプレートやネット購入したテンプレートは、多くの場合デザイナーが、
- 人間が読んで理解する方向を意識したデザイン
- 読みやすく構造が理解しやすい文字の大きさ
- 理解できる量のボリュームを想定した文字量や余白スペース
- 邪魔にならないカラーテンプレート
などが想定されたものなので、パッとした見た目はまとまって見えます。実際は、外国人のプレゼン資料は中身がまったくないことも多く、日本人の各資料はよく考えられて緻密に書かれています、ただ理解するのに時間がかかります。
では、ビジネスの現場では、どちらが効果的なのかというと。人は見た目が9割の例を引くまでもなく、すっきりとしたプレゼンテーション資料は理解しやすいです。
シンプルなプレゼン資料がはじめの1歩
しかし、プレゼン下手な人が改善のために第一歩を踏み出すという際に多くのことにトライすると失敗します。そこで、シンプルなプレゼン資料を作ることに集中することが正しいと思います。
プレゼン資料が複雑だと、聴衆が理解するコストは格段に膨れ上がってしまいます。プレゼンテーター自身もなにを話せばいいのか混乱してしまい、説明が複雑になる。結果的に、自信を持てなくなり、聴衆がアクションを起こすようなプレゼンをできる確率は非常に低くなってしまいます。
そんなシンプルなプレゼン資料を理解するためにおすすめしたいのは、プレゼンテーション資料のデザインを専門としているデュアルテ社のCEOが書いた本となります。
slide:ology[スライドロジ―]―プレゼンテーション、ビジュアルの革新 ナンシー・デュアルテ
デュアルテは、アル・ゴア元副大統領が不都合な真実の中で紹介されるプレゼンテーション資料を制作した会社としてよく知られています。同時に、TEDのスピーカーとしても著名でプレゼンテーションへのアプローチを語っています。
デュアルテ社の作った資料は プロフェッショナルが作ったものなので、ビジュアルや文字が美しく配置されたクリエーティブの成果になります 。一方で、プレゼンテーション以外で普通の会社員がクリエーティブな思考とロジカルな思考を両立させなければならないことは少ない、だからそんなにきれいなものを作れないのがあたりまえだとデュアルテは言っています。
したがって、この本のアイディアを構造化して、アイディアを表現するグラフを作り、ストーリーをダイアグラムに当てはめて、理解しやすいスライドのテンプレートに埋めていくというシンプルな手法を具体的に、事例や例示とともに紹介してくれます。
他の本がロジカルなストーリー構築に集中していたり、1ページのデザインに集中している中で、シンプルなプレゼンテーション資料を作る手法を伝えてくれます。
まとめ
まずはシンプルな資料を、専門家が作ったテンプレートに沿って作るというのが、良いプレゼンテーターへの第一歩だと思います。
- テンプレートを使う、テンプレートを無理に変更しない
- シンプルを維持するための文字量、画像、ダイアグラムを使う