Amazonが次に破壊する領域

ビジネス

Amazonのジェフベゾスの有名な言葉に「あなたのマージンがわたしのビジネスチャンスだ」というものがあります。

高いマージンを謳歌するサービスやビジネスに対して、イノベーションにより価格での優位性を確立する方法は、書店、電気店、スーパーマーケットなどの小売業、電子書籍、タブレットなどのデジタルコンテンツ、B2B商品の流通、クラウドサーバーなどに広がっています。この中で、多くの金融機関、経済誌、コンサルティングファームなどが次のターゲットとなる業界を予測しています。

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拡大してきたビジネス領域

アマゾンが参入して全てがうまくいっている訳ではありませんが、主にアメリカではすでに多くの領域にビジネスが広がっています。100兆円以上の市場がある領域に限ってみてもアマゾンベーシックが好調なアパレル、アマゾンビジネスが拡大するB2B e-Commerce、エコーなどIoT関連(コンシューマー領域のみ)、AWSやロボットによるITサービス、医療用医薬品・調剤薬品、そしてAmazon AirにShipping With Amazon、ドローンへと広がるB2Bや個人配送などがあります。

ホームセキュリティ

自宅の安全を守るサービスは、監視・保険・修理・修繕など多岐に渡りますが、スマートホームが現実的になる中でアレクサで自宅を監視するサービスが始まりました。アレクサが監視モードになっている状態で、ガスの警告音、不審な音などがするとSMSやメールで家主に伝えてくれます。監視サービスに入りセンサーを各所につけることを考えると、自宅の各部屋にアレクサの使える端末を置いておくのはWIFIさえあれば工事も必要なく手軽ですね。また、昨年買収した会社を経由してスマホで玄関を開錠できるスマートロックや監視カメラを提供しています。

我が家はリビングともう一部屋にアレクサ端末、寝室にタダだったのでもらったGoogle Homeがあります。加えて犬が普段いる部屋にはカメラを仕掛けて外出中も見れるようにしてあります。とはいえ、カメラを置くと観られている感覚があって、他の部屋に置くきにはなりません。自宅内のセキュリティを考えた場合、動画が撮れるカメラを置くよりも音のセンサーが動いてくれるのは素敵です。セコムマークの代わりにアレクサマークが自宅の前に貼られる時代が来そうです。

金融ビジネス

お金に関わるビジネスとしてはすでにAmazon Payを提供しており、Amazon以外のサイトでも決済をAmazonのIDで行える仕組みは有象無象のECサイトに情報提供するよりも安心できるモデルです。

一方でホームセキュリティーに参入していくと、損害保険をセットにして売っていくことは容易に想像できます。アレクサが自宅や車に設置されていることを前提とした損害保険サービスが用意されていくことで、損害保険・自動車保険などが展開されていくことが想定できます。とはいえ、自社で行うのかというと提携という形で行うのが現実的な気がします。全て自社で完結することを好むアマゾンですが、諦めた携帯電話、自動車などデバイスでは社外のサービスと連携していくことが多くなっています。

ガススタンド

アマゾンにより小売業が壊滅的な状況にあるアメリカで唯一成長を維持しているコストコ、会員制モデルが機能していると同時に、実は売り上げの10%はコストコに設置されているガススタでの売上げによっています。このように燃料は大きなビジネスになり、アマゾンの参入も噂されてきました。

ただ、これから5-10年で自動車の電気自動車化が進むことを考えると、これからガソリンを販売するビジネスに参入するよりも、自動車・自転車などのバッテリーを通販モデルで充電したバッテリーを販売する仕組みなどの方が現実味がありそうです。

旅行・不動産

アマゾンが手を出していない巨大市場の中で、旅行と不動産の取引は、複雑な取引と重複した手数料がかかるビジネスです。不動産に関しては、日本では一般的ではないものの家具付きのマンションが一般的な海外では、ホームセキュリティーからアマゾンベーシックまで安価に取り揃えた部屋をスタンダードな仕組みとして提供することを魅力に思う人もいるかもしれません。実際、数年前にリロケーションサービスという引越し付きのパックが販売される噂が流れたことがありました。

一方で、噂の絶えない旅行については、あまりアマゾンに向いていないような気もします。アマゾンは欲しいものを検索してすぐに買えるという非常に散文的なサービスなので、情緒的な旅行・高級ワインなどの商品はもう少しメッセージ力のある会社が強いような気がします。