経営戦術においての平均化の罠

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経営戦術とは、経営目標を達成する戦略に対してのアクションプランを指します。一方平均化の罠は、統計において平均化することで失われてしまう数字の分布というニュアンスによって間違った判断をすることです。情報社会化が進むことで、経営戦術における平均化の罠があるのではと議論になりました。

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インターネットによる情報共有社会

情報化とAIの活用が進むと経営戦術(戦略ではなく)において、平均化・同質化の罠が増えているのではないか?とこの前議論になりました。

経営企画やマーケティングなどの手法は、ひと少し前までは難解な教科書を読み解くか大学・大学院で学ぶ、もしくは企業内で暗黙知・形式知として形成されたものから学ぶしかありませんでした。いまどきは 検索エンジンに聞けば大抵のことがわかります。企業内部の詳細な情報などはわからないものの、競合他社や他の企業が実施していることも検索やデータベースにあたっていくことで、ある程度理解できます。さらに情報の統合と社外との共有化が進んでいくことになります。

経営戦術においての平均化の罠の例

ファイナンスを例に取ると、投資銀行やヘッジファンドがトレーダーをAIやシステムに入れ替えています。ゴールドマン・サックスは2000年にニューヨーク本社だけで600人のトレーダーを雇用していました。2017年では2人だけになっています。200人のコンピューターエンジニアが自動取引を株式・債権・通貨などで行っています。このようなシステムトレードが一般化することで、結果的にあるニュースに多くのシステムが反応することで、オーバーシュートが発生しています。カントリーリスクが高まる指標が発表されると、すべてのシステムがひとつの方向に向かう結果、ある通貨が本来の価値以下まで売られてしまうなど、システムトレードによる不安定化が進んでいます。

ファッションを例に取ると、SPA型のファッションブランドはトレンドを後追いしていきます。今のトレンドにあったアイテムを安価に短納期で提供するモデルの中で、特にショッピングモールに入っているブランドは、アイテムの企画から製造までアウトソースしています。結果として、同じ情報をもとに同じような企画が同じショッピングモール内に、ブランド名だけ違うという状態で並びます。

マーケティングを例にとると、ソーシャルマーケティングの運営にあたって、グーグルで調べると、自社のカテゴリーにおいては、エントリーを平日午後4時にフェースブックとツイッターにあげるのがもっとも効率的という情報をもとに投稿計画を実施。結果的に、多くのソーシャルアカウントが同じような時間帯にコンテンツをあげるため、情報の海に埋没していってしまい、エンゲージメントがなかなか伸びない。

グーグルなどでデスクトップリサーチを行うことは重要です。ただし、ここで誰もが取得できるデータ、手法、ノウハウなどに頼っていくと、結果的に同質化して平均の罠にはまっていしまことになります。今後、製造プロセスや情報処理などAIによる自動化はさらに推進され、デジタル広告の在庫のように共有されていく情報も増えていきます。意識せずとも、AIが最適化を求めていけば行くほど同質が進んでしまうという結果になりかねません。

経営戦略と戦術

経営戦略においても同様なリスクはあるとは思いますが、戦術に比べると戦略策定においては経験豊富なシニアスタッフが関わることが多く、分析—戦略的直観—分析—戦略策定という同質化を避けることが多いと思います。たとえ、同質化という戦略をとっている場合でも、価格や流通など戦略上差別化されています。一方で戦術レベルまで落ちてくると、ジュニアスタッフがインプリメンテーションを担当する領域も広くなり。グーグルに教えてもらったとおりに実施するということも多くなりそうです。

日本企業の長年の課題であったベストプラクティスを取り入れることが下手で、テンプレート化を嫌う中堅・若手社員という問題が解決するのは良いことではないか?という議論もありました。AI、データベース化などは効率を推し進めるものなので、同質化というデメリットを超えるメリットがあることは確かです。

直観から仮説を作る能力?

では、高度に情報処理が進む中でサラリーマンたる僕らが持っておかなければいけない能力や、プロセスに組み込んでおかなければ行けない平均化の罠をさける仕組みはなんなのか?ということになるのですが、意外と基本的なことなのではという結論になりました。

平均からはずれたアウトライナーから直観をえる能力と、もし○○だったら、●●にならないか?という仮説を作り検証する能力。この2つをジュニアにもインプリしなければならない。普通にビジネスをオペレーションするという環境では、情報化の環境では直観・仮説という能力が育たない可能性が高い。働き方改革で、時短を求められるなかで、よりプロセスをフォローするだけにもなりかねないですよね。AIを前提としたBPOの場合、意識的に他と違う方法を試行するプロセスというのを入れないと、同質化中での改善になってしまいそうですね。

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