いくつになったとしても新しいことを学習することはPersonal Development、Personal Growthにおいて基盤となるものです。学習することが習慣化している人はビジネスでも趣味でも豊かな生活を実現できる可能性が高いようです。とはいえ、ルーチーンとして習慣化していてもプライベート・仕事で忙しいと、複数のことに手を出すのは難しいし非効率になってしまいます。そこで、速く、効率的、効果的に学習する方法についての科学的な調査が進んでいます。いくつか研究結果とともに紹介してみます。
ルーチンに変化を加える STOP REPEATING THE SAME
何度も同じことをするということは効率的な方法ではないそうです。継続して同じことをする際に、少しだけ変化を加えることで、学習の進捗の実感が速く、試行回数が少なくてもポジティブな結果を感じやすくなるため、より速く、効率的に学習されるという調査がジョン・ホプキンス大学から発表されています(効率的でないというだけで効果がないというわけではありません)。
例えば、テニスの選手がフォアハンド(利き腕で打つ)、バックハンド(利き腕と反対側)、ボレーなど複数の方法を同時に試行する方が、フォアハンドだけを練習するよりも結果が速く出るとのこと。ただし、変化は軽微な変化であるべきで、テニスのフォアハンドと野球の遠投ではあまりに変化が大きいので学習速度の向上には役立たないそうです。
場所を変える EXPLORE ADVENTURE
学習は机と教科書、ゴルフクラブとネットだけで起きているのではなく、学習・練習をする場所や環境にも影響を受けているということが発見のようです。違う環境で同じコンテンツの学習を繰り返す方が、環境を含む記憶として蓄積・記憶されやすく、思い出しやすくなります。
環境変化が重要だからといって、自分に合わない環境、学習・練習に即していない場所で学習しても効果はないです。暑苦しいアマゾンの熱帯雨林、タバコ煙るパチンコ屋など極端な場所を探す必要はなく、同じような環境でも少し違う程度で効果がでるとのことです。
学習しすぎない DON’T OVER LEARN
とはいえ、ずっと集中して長時間学習することが良いことなのかというと、適度に休憩をとり集中を取り戻すことを繰り返したほうが効率的に学習できるとイリノイ大学のレポートにあります。
4時間継続して勉強をするよりも、1時間毎4日間に分けたほうが効率的という調査結果もあり、Burnoutをしないレベルで学習をするべく定期的に休憩をとって、学習時間と休みのバランスをとることが効率的な学習には重要とのこと。
学習結果を他の人に共有する SHARE EXPERIENCE
人に教えることで実は理解できていない部分が整理される、伝えることで復習となるなどの効果はもちろんですが、自分以外の人に教えることで、その人が上達していくことを見ることで、自分の「自信」がより強く形成されて、結果的に学習効果も効率化されるとのこと。
プログラムの世界では2人で1つのプログラムを一緒に作っていくデュオプラグラミングという手法がありますが、教えることで教えてが得る自信、教えてくれる人がいることでの安心感で培われる自信というのが、ひとりで試行錯誤をしてレビューを受けるという通常の仕組みよりも効果を高めているとのこと。
マルチタスクをやめる STOP MULTI-TASKING
テレビを見ながら、音楽を聞きながら、本を読みながら、LINEに返信しながら学習するのは効率的ではないですよね。集中することが効果的なのは言うまでもないですが、新しい情報や体験を積み重ねるに際して、それを理解するプロセスがマルチタスクによって阻害されるため、学習効果が下がっていくとのことです。
https://www.apa.org/pubs/journals/releases/xhp274763.pdf
リチャード・ブランソン:Doing
The best way of learning about anything is by doing.
と言っています。
机上での検討を繰り返すよりも動くことが効果的というのは、やってみる・試してみる中で、少し違う方法をトライして、最適な方法を探していろいろな場所へ行って、人と会話して学んだり伝えたりと、結果的に効果的な学習を行っているのかもしれません。