英文ライティング上達へ:ネイティブが使うライティング支援ツール3選

英語学習

マイクロソフトワードのスペルチェックは、最低限のタイポ修正を助けてくれますが、読みやすい英文、わかりやすい表現などを教えてくれるわけではありません。理想的には毎回ネイティブチェックをかけたいですが、コストを考えると現実的ではありません。

一方で、英文編集に苦労するのは、第2言語で英語を利用する私達だけでなく、英語で文章を書く専門家も同じです。彼らネイティブのライターが使っている編集支援ソフトを使うことで、英文ライティングのスキル向上を目指します。

 

 

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英文ライティングのスキルアップは必要

長文を英語で書く機会が増えていること、そしてどのようにスキルをアップするのかという記事を書きました。とはいえ、社会人になってから勉強に割ける時間は限られています。仕事もプライベートも忙しい中で、英語学習だけやっていることもできませんよね。

一方で、グーグル翻訳など機械翻訳のクオリティが上がっています。では、ライティングのスキルはいらいないのか?というと、ただ伝わるだけの英文であれば機械翻訳で充分に人工知能の発展とともになっていくと思います。ただし、機械が翻訳してくれた文章を自分の意図通りになっているのかレビューして、濃淡を強くしていくなどの能力が求められるようになります。つまり、英語表現や文法のスキル向上は今後も役に立ちます。

いずれにしても、現時点の機械翻訳はとてもビジネス文書として使えるレベルにはありません。自分で書くという拷問のようなプロセスと能力が必要になります。

さらに長文を書いていると、自分の思いや感情、書いていることでさらに広がる思考という状態の中で、シンプルでわかりやすい文章を短時間で書いていかなければなりません。

 

 

ネイティブも英文ライティング・編集はつらい

アメリカ人やイギリス人の作家や編集者のブログやフェースブックのエントリーを見ていると、書きたいテーマを英語で書くのは当然問題ないものの、書いた後の編集作業はやはりつらいものという言葉は散見されます。

書いている時は、完璧だ!と思って書いたとしても、意味がわからない、わかりにくい、比喩が適当でない、繰り返しがうざったいといった文章になっていうことは多いですよね。このような問題を編集作業では、ひとつひとつ修正しなければなりません。そこで、この辛い作業を楽にするために利用されるのが、ライティング支援ツールということになります。

ただし、完璧なツールというもなく、それぞれのツールによって重視している内容が違います。今回紹介する3つのツールも重視しているポイントが違います。自分の文章のスタイルや目的にあったツールを見つけて、効率的な英文ライティングをしましょう。

 

英文ライティング支援ツールの紹介

AutoCrit

Home
Unlock your book’s brilliance with AutoCrit. Plan, write, analyze and edit your book all in one place. Try AutoCrit for free today.

AutoCritは、文章のスタイルや構成を分析して、単語の繰り返し、単語の選択、言葉の強さ、センテンスごとの分量やペースや勢いについて、書いた文章が詳細な分析と改善策の提案をしてくれるツールです。

最低200ワードの文章であれば無料で簡易レポートを見ることができます。レポートは以下のように5つのパートと全体のスコアと、各パートごとの改善点詳細がついたものです。

このツールの優れたところは、文章を数値化して評価してくれるところです。このエントリーを書くために300ワード程度の文章を書いて簡易レポートを出してみると、オーバーオールのスコアは78点と良くもないが及第点でした。

例えば、Pacing & Momentumでは、パラグラフごとの文字量の推移をグラフ化して改善提案がレコメンデーションとして表示されます。

今回のPacing & Momentum分析を見てみると、文章の始まりが73ワードと長めで、その後30ワード程度の文章が続いていきます。最後に長い文章がくるよりも、テンポが良くなっていくのはよいと思いますが、導入が長すぎるのは読み手にはわかりにくいかもしれません。この数字をみながら、冒頭のパラグラフを少し短くし、2−3パラグラフに移動することで、読みやすさが上がっているような気がします。

 

文章を数値化するということはワード数以外はしたことがない方が多いのではないでしょうか?数値化された数字とレコメンデーションを読むと、漫然と文章をレビューするよりも問題点のある表現の改善方法をピンポイントで効率よく考えることができます。

有料版はより深い分析をしてくれるようですが、月30ドルとそこそこの投資になります。英語で本や長文のレポートを書くなどしないのであれば、フリー版で充分だと思います。

 

ProWritingAid

Great writing made easy with ProWritingAid
The toolkit for storytellers. A grammar checker, style editor, paraphraser and more. Available inside your favorite writing app.

ProWritingAidはその名の通り英文ライティングを専門家をサポートするために作られたツールで、単語の繰り返し、文章の長さ、文法の間違い、スタイルなどを分析して改善を促してくれるツールです。

文章をコピペするか、ファイルから読み取ると、上部のメニュー(スタイル、グラマーなど)を選ぶことで、分析結果を教えてくれます。一番良く使う機能は文法だと思います。単数形複数形、時制の一致など、文章を読むにあたって混乱の要因になる文法のエラーは対応しましょう。

 

さらに、AutoCritとの大きな違いは、読みやすさを評価して改善するように提案してくれる機能をもっていることです。

パラグラフ単位で、「読みやすい」、「読みにくい」、「意味がわからない」など分析結果を伝えてくれます。わかりにくい部分に集中的にわかりにくいパラグラフの編集ができます。この文章では、3パラグラフが「少し読みにくい」という結果になりました。最低限「意味がわからない」と判定されたパラグラフは改善をします。

 

また、同義語辞典の機能も持っており、文章全体の中から同義語で言い換えられる単語を一気に表示してくれます。finallyやperfectlyなど、そもそも削除してしまっても意味は通る強調も、自分が意図して書いている以上は強調したいという意図があります。同義語辞典を見ながら前後の単語を入れ替えることで、無意味な単語を減らしてわかりやしすい表現を試行錯誤できます。

 

ProWritingAidは、500−3000ワードまでは無料で使うことができます。1パラグラフだけを分析したい、5000ワードを超えるような文章を分析したいというときには有料版を使う必要があります。

長文を書く機会が増えたとはいえども、普段はメールで1−2パラグラフを書くことのほうが多く、クライアントのCEOなどにメールをする際にはできれば確認したいということがあります。有料版を使うようにうまく誘導されているような気がしますが、年間40ドルと比較的安価なため、私は1パラグラフだけで分析するために有料版にサインアップしています。

以下の記事でより具体的な使い方をステップバイステップで紹介しています。

Pro Writing Aidの使い方とEditingの方法
英語の文章を書く上で最大のミスは、自分の書いた文章を見直してエディットしないままにすることです。たとえ、それなりに英語が書ける人でも改善できるポイントは間違いなくあります。こちらで紹介したWriting Aidのツールの中から、Pro Wr...

 

Wordrake

Writing Assistant for Professionals | WordRake Editing Software
Polish your written communication with WordRake. It's editing software that offers automated in-line editing for professionals. Be confident with WordRake!

長文を書いて編集をするとなると、いろいろな思いや想定をもとに書いていることもあり、意外とだらだらと長い文章になりがちです。実際には、かなりの分量を削っても充分理解できるということが往々にしてあります。

Wordrakeは不必要なセンテンスを削除することに集中したツールです。かなり容赦なくセンテンスの削除を提案してくれます。たとえば、事例として紹介されているのは以下の文章で、打ち消し線の部分はWordrakeが消したほうがいいと推奨しているセンテンスです。

“Because the proposal in question also eliminates
inefficient legacy systems, there can be no doubt that your
company would show savings of at least 1.4 million
dollars in the process.”

提案どおりにすると、約半分の文章になって、より強い表現になっています。一旦書いたものを削除するというのは勇気がいるもので、自分で書いた文章を自分で短くするのは意外と難しいものです。大胆な提案をもらうことで、思い切った表現変更をする機会をくれるということで、非常に効果的なツールです。

 

ワードとアウトルックの機能として使えるようになるツールなので、普段使いすることができます。7日間のフリートライアルがあるので、試してみるとその大胆な提案が理解できると思います。そこまで削るのか・・と涙目に感じることもありますが。価格は200ドルとそれなりにします。

 

 

なぜこの3つのツールを紹介したのか

英文ライティング支援ツールというと、Ginger, 1checker, Spell Check Plus, Grammaryなどのツールが定番で有名ですよね。メールで簡単な文章を書く程度であれば、ワード単位で文法やタイポを確認してくれるこのようなツールは有効です。

ただし、ある程度の長さの文章を書いていくと、

・文章としてのトーンや雰囲気

・前後の関係などを意識した読みやすさ

・表現のぶれをなくし読みやすくする

など、ワードやセンテンス単位ではなく文章として改善する必要に直面します。この目的ではGingerやGrammaryなどはまったく役に立ちません。

また、僕の個人的な好き嫌いとして、Gingerのように文章を書いている時に逐次指摘をされると書くことに集中できなくなってしまうので、好きではないです。

 

長文を書く時には、大きな文章構成を考えた上で、一気に書き上げてしまう。ただし、その際には勢いで書いているため、冗長な文章や余分な説明、複雑な表現が混在してしまうので、冷静になってレビューするというプロセスを取ったほうが結果的に効率的にわかりやすい文章を書けている気がします。

ツールを使うと、冷静になるという切り替えができること。指摘された問題点を集中的に改善することで、レビューしているつもりが、実は足りないと書き足しを続けてしまうというい悪循環を断ち切ることができます。

 

しょうもない理由としては、ネイティブの英文学作家が使っているツールを自分も使うというのは、カタチから入る僕としては最適です。

 

英文ライティングツールを積極活用しよう

とくにProWritingAidは安価なツールながら、いろいろな角度から分析できるので、文法や表現の勉強になります。とはいえ、便利なツールを使うにもある程度は自分で書きたいことを英語で書けるようになっていなければ編集の必要もありません。また、あまりに基礎的なエラーを繰り返していては時間ばかりかかるので、知識面も増やしてバランスを取る必要があります。

実用的な言い回し、テンプレートを憶えるとともに、文法について学びなおすことが効果的です。文法について英語の教材で学ぶことがもっとも効率的です。

英文ライティング上達へ:英語サイトで文法力向上おすすめ10選
文法が少々間違っていても英語は伝わります。ただし、明確に伝えるためには文法は基礎であり、子供のような文章ではプロフェッショナルと認識されません。自分の意図したイメージや内容を伝えたいですよね?そこで文法を学ぶにあたって、ある程度英語ができる方は英語のサイトを使って英語で英語の文法を学ぶのが効率的です。文法を学ぶ10つのサイトを紹介します。
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ビジネスでの実用的な言い回しやテンプレートは、英文実例の本を1冊詰め込みで覚えてしまうのが早いです。以下の本はZ会が作った実践的なテンプレートがまとめられた良書です。

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