Autotech: トラック物流進化の行方とスタートアップ

ビジネス

トラックのIOTやAIによる進化がニュースになることが少し多くなってきました。多くの企業が、トラックをCONNECTEDにすることで効率的な物流を作ろうと動いているようです。ということで、なにが起きているのか確認してみます。

 

 

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トラックのニュース

トラックが話題になるということ自体が珍しいように思いますが、最近騒がせたニュースだけでも、自動運転のテストが始まった、ヤマト運輸の宅配数爆発問題、カメラやセンサーの活用拡大などいくつか思い出せます。

身近なトラックが今後どうなっていくのか、トラック宅配からドローンへという話もあれば、環境問題の側面もあり、身近なトラックの変化が始まっているのか、かわらないのかみてみようと思います。

 

ヤマト運輸の値上げ

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サムスンの前方が見えるトラック

Samsung Argentina – Samsung Safety Truck (English Version)

自動運転トラック

Mercedes Self Driving Truck Driving Itself Mercedes Future Truck 2025 Commercial CARJAM TV 4K 2015

話題になったボルボのCM

Volvo Trucks – The Epic Split feat. Van Damme (Live Test)

 

 

トラック関連のスタートアップ

物流の要となっているトラックだけあり、トラック関連のスタートアップや技術を開発している会社は予想以上に多く、しかも結構な金額を調達していました。地味なので話題にあがるような会社ではないですが、最近の大きめの調達からピックアップしてみます。

 

4tigo (FORTIGO NETWORK LOGISTICS)

4tigo

フォーティーゴー・ネットワークは、インドのトラック物流のプラットフォームを提供している会社です。フォーティーゴーは、トラックの場所をトラッキングする管理ツールをトラックオーナーに、メーカーやサービス会社にトラックと物流依頼をマッチングする市場をオークション形式で提供し、契約を電子的に行う機能をトラックオーナーとメーカー双方に提供するという垂直統合したプラットフォーム。簡単に説明すると、UBERのトラック版としてB2Bに必要な機能を用意したものというサービスです。

2015年にインドITの聖地バンガロールで設立し、2017年にシリーズAとして10億円以上の調達に成功しています。まだ登録されているトラックは6000台程度ですが、今回の調達を契機に、5万台のネットワーク化とインド全域のサポートを目標としているようです。

 

世界中で投資が始まるトラックシェアリングエコノミー

元祖UBERもUBER Freightを2017年に立ち上げ、中国では叭叭速配、フランスではCONVARGOという同様のプラットフォームが立ち上がりました。各社対象としている地域が違ったり、提供しているサービスがマッチングの市場だけだったりと違いはありますが、荷主とトラックをオンライン・ビッディング(オークション形式)でつなげるというコンセプトは同じですね。

トラックのシェアリングエコノミー化やオークションによるビッディングが当たり前になるかもしれません。

Introducing Uber Freight

 

FREIGHTERA LOGISTICS

freightera

フリグテラはカナダで設立された会社で、物流のマーケットプレイスを提供しているという点では上記のUBER Freightや4tigoと同じプラットフォームです。ただし、提供しているのはトラックだけでなく鉄道も含みます。さらに、集中しているのは、すでにルートとして存在しているトラックや鉄道の空きスペースを活用することで、少ない環境・コスト負荷でより多くの荷物を運ぶということを目的としています。

フェデックスなどすでに存在しているルートの空きスペースを最大活用するという仕組みのため、1.5億円を調達した初期段階にありますが、100の物流会社と5000社程度がすでに利用しているようです。

アジアでは同様のコンセプトで、 EZYHAULというスタートアップが資金調達に成功しています。

環境問題をテーマにしつつ空きスペースという隙間を活用するフリグテラ、シェアリングエコノミーとして個人ドライバーと荷主をつなげるプラットフォームなどが確立していくと、最終的にすべてを包括するマーケットプレイスが現れそうですね。

 

DRIVE SPOTTER

Drive Spotter

ドライブスポッターは、トラック向けにドライブレコーダーの映像をリアルタイムに分析することで、安全な運転がされているのか確認するなどトラック管理の仕組みと、安全なドライバーにはインセンティブを提供する仕組みなどから作られたトラック管理サービスです。

2017年に1億円程度を調達しており、安全性と効率性を押し出したソリューション。資金は自動車保険の組織などが提供しています。このような仕組みと前出のマーケットプレースなどの仕組みが組み合わされると、保険の問題などシェアリングエコノミーで問題になることの多い課題も解決ができそうです。

 

まとめ

トラックのイノベーションは、自動運転や電気自動車など乗用車と同じ進化の道を進んでいます。同時にサービス側でもマーケットプレースなど乗用車と同じようなサービス拡大が進みだしているという状態のようです。

B2Bの領域ということもあり、UBERのように保険や安全問題を放置したまま利用だけ拡大するということは許されず、保険・安全性・契約などのサービスが当初から視野に入っていることが大きな違いになりそうです。周辺サービスや取引の安全化などははB2B側で整備が進んで乗用車側にフィードバックされることになるかもしれませんね。