スタートアップの国イスラエルで行われた、Most Promising Startupに、MUGO (Music On The Go)が選ばれました。イスラエルのスタートアップというとサイバーセキュリティやAIを使った自動運転などが目立つ中で、音楽サービスが受賞。どんなサービスを提供しているのでしょうか。
MUGO
最終ラウンドに残ったのは11社からMUGOが第1位となり、もっとも将来が約束されたスタートアップ@イスラエル2017になりした。MUGOは、ユーザーが音楽を聞いたり共有したりできるソーシャルメディアです。
Spotifyのようにプレイリストが共有できるのは当然として、リアルタイムでプレイリストを共有できる技術がユニークな体験を提供しています。
- リアルタイムでの曲の共有
- 自分がいる場所でその時よく聞かれている曲を聞くことができる
- 音楽サービスとソーシャルネットワークの融合
誰がどんな曲を聞いているのかリアルタイムで把握できるため、友達におすすめの曲を紹介するには自分でその曲をかければ、友達はそれを確認してすぐに自分も一緒に聞くことができる(シンクロすれば同じ曲の同じところを別のスマホから一緒に聞けます)。
地理データを使って、自分が今いる場所の近くでよく効かれている曲を集めてプレイリストを聞くことができるので、ニューヨークなど他の都市に行って流行を探しても良いし、皇居で走っているランナーがよく聞いている曲をプレイリストにして聞くこともできます。
LINEやWhat’sUpのようなソーシャルメディア上のメッセンジャーがあるため、音楽をベースにつながっている人とチャットする、自分のムードにあわせたプレイリストを作るなど、音楽とモバイルという領域で統合された体験を提供しています。
アップルストアとグーグルプレイでダウンロードできます。
MUGOの歴史
MUGOはイスラエルで3人の創業者がスタートした会社で、2017年4月に最初のアプリをリリースしたスタートアップです。5月には早くもサービスのアメリカ市場進出をサポートするために1億円をイスラエル・ドイツ・アメリカの投資家からシードラウンドとして調達しています。
創業者のOri SegalはMUGOを作ったモチベーションについて、「音楽に関するサービスはたくさんあるが、自分の好きな曲を見つけて、それに関わるイベントに参加して、そのイベントの写真をソーシャルメディアにアップロード、友達からその曲聞いてみたいと言われて音楽を送る・・・、ということをしようとすると、多くのサービスやアプリを立ち上げて、曲名やアーティスト名を書いてまわる煩雑な作業が必要。これをシンプルにひとつのアプリにしたい。」と語っています。
MUGOは、音楽を鍵としているものの、フェースブックやインスタグラムのようなソーシャルメディアが軸となっているサービスということですね。プレイリストはスポーティファイ、イベントの共有はフェースブック、写真はインスタなどと切り替えて使うのと、どちらが支持されるのか面白いですね。もしくは、友達と共有するプラットフォームはフェースブックやインスタのままで、音楽についてはMUGOを入り口として使うというソーシャルメディアの接続がされるのかもしれません。
MUGOの鍵になっているのが特許をとったLIVE Shareという音楽のリアルタイムシェアの技術なので、ソーシャルメディアとして伸びなかったとしても、既存の音楽サービスに買われる選択肢もありというのも将来が約束されたスタートアップに選ばれた理由のようです。
イスラエルのモバイル関連スタートアップというと、Oversi, Infoginなど、モバイルネットワークの最適化など要素技術が目立っていたので、コンシューマー向けの会社がでてきたのはユーザーとしては楽しいかなと。