RE: 英語のできない社会人が、評価を上げる目的で英語を勉強する必要はあるのか?

英語学習

「英語のできない社会人が、評価を上げる目的で英語を勉強する必要はあるのか?」というエントリーがはてなにありまして。この前触れたばかりだったので、私見を書いた雑文です。

はてな匿名ダイアリー

 

ここ二年くらい英語学習を続けているんだけれど、自動翻訳のニュースを見て思うところがあった。英語のできない社会人が、評価をあげる目的で英語を勉強する必要はあるのだろうか。

日⇄英間の完璧な自動翻訳が可能になるのはまだまだ先だと思うが、10年後はどうなっているか。わからない。

 

スポンサーリンク

僕の考え

僕はあと5年以内には機械翻訳で必要十分な状態になると思っています。ある程度ニュアンスのようなものも翻訳できるどころか、インターネットジャーゴンや専門用語などは、第2外国語として憶えている私よりも、巨大なデータベースを持つ機械翻訳が優れていると思います。

 

では、英語を学ぶ必要が無いか?というと、「意味がある」と思っているので続けています。ひとつの理由は、はてなのエントリーを書かれた方も指摘している、「正しいかどうかを見直すためには英語力が必要」という部分です。

正しさについては、それほど不安視していないのですが、同じことを表現するにも、多くの言い方・表現方法があります。伝わればいいというのではなく、伝わり方まで気にするのであれば、自分で英語が理解できる必要があります。詳しくは下のエントリーで書いたかと。

英文ライティング上達へ:ネイティブが使うライティング支援ツール3選
マイクロソフトワードのスペルチェックは、最低限のタイポ修正を助けてくれますが、わかりやすい表現を教えてくれるわけではありません。一方で、英文編集に苦労するのは英語で文章を書く専門家も同じです。彼らネイティブのライターが使っている編集支援ソフトを使うことで、英文ライティングのスキル向上を目指しましょう。

 

 

シグナル効果

もうひとつの理由は、シグナル効果です。たとえ機械翻訳が一般的になったとしても、企業内には多くの優秀な人がいて、その中でグローバル作業をやりたい、海外出向したいなどの希望を通し、ポジションを獲得するためには、「こいつだったら大丈夫」と選定権限者に理解してもらう必要があります。英語ができる、海外大学・大学院の学位を持っている、CPAを持っているなどはシグナルとして非常にわかりやすいと思います。

 

20−30年前は「英語しかできないひと」がグローバルポジションに選ばれていたそうですが、今時は英語を話せる人も増えているので「専門知識+英語」というセットでの判断になります。

定期異動でも、社内公募でも、誰かがあなたの力を認めた結果としてポジションを獲得できます。その際、わかりやすいシグナルは評価対象です。

 

ただし、技術は進展

一方で、「微妙なニュアンスは機会では無理」は機械翻訳もできるようになると思っていますし、「機密文書の翻訳は情報漏洩の危険」に関しては企業がgmailのエンタープライズ版やクラウド環境に移行しているのが当たり前になってきた現在、ビジネス向けのサービスとして機械翻訳が提供されれば、まったく障害にならないと思っています。

 

語順の問題も、日本人が最後まで聞いてから判断しているかというと、前後の文脈から把握しているので、その程度のことは機会もできるようになるでしょう。

 

まとめ

最初の質問に戻ると、評価を上げる目的であれば、わかりやすいシグナルが有効です。ということで、評価を上げる目的であれば英語の学習は意味があると思います。

 

一方で、グローバルM&Aプラクティスで活躍したいなど目標が明確な場合には、いままでは英語とM&A、ファイナンスなどカバーする領域がとにかく広い。英語ができなければそもそも買収先に関するアナリストレポートさえ読めないので、学習範囲の中で英語のプライオリティは高かくなります。今後は、専門知識のプライオリティが高く(専門知識>英語)、英語はマシン君にサポートしてもらうというように変わっていくと思います。

 

とはいえ、誰を担当にするのかと考える時に、目の前に1人しか候補がいないということはあまりないです。2人以上から候補を選ぶ時に、機械翻訳+専門知識、専門知識+英語という2人であれば英語を使える人選びます。

言語はコミュニケーションのための記号だけでなく、文化という背景があるので、英語文化がわかっている人の方がまかせて安心なので。