Mattermarkはビジネスに関する情報をパッケージングしたツールを提供している会社です。日々会社の中にいる人はマーケットサイズはどれぐらいなのか、伸び率がどの程度なのかなどをGoogleで毎回毎回調べています。
大きな会社だとナレッジマネージメントの仕組みやCRMの仕組みが用意されている場合がありますが、そもそもこのようなツールは一切情報の入っていない状態で提供されるため、企業がデータを入れてアップデートし続けなければなりません。
この手間をなくそうというのがMatterMarkの情報が事前に入った状態のWIKI+CRM+KMのソリューションということになります。堅実にビジネスを拡大しており、シリーズBも成功させています。ただし、このまま規模が大きくなると、Euromonitorなどトラディショナルな調査会社との違いがわからなくなる可能性も高いです。
Mattermark事業計画書
提案年 | 2014 |
調達額 | $6.5M Series A |
投資家 | Arena Ventures, Drummond Road Capital, Great Oaks Venture Capital, Henry McNamara |
マターマークについて
マターマークは、ビックデータ、マシンラーニング、ベンチマーク、ニュースなどをベンチャーキャピタル、プライベートバンクなど金融機関、コンサルティングファームや事業会社のビジネスデベロップメントを担当する企画部門向けてに提供している会社です。100万社以上の公開・非公開のテクノロジー企業を中心にデータを提供しています。
ビジネスの定義
2ページ目で会社のミッションを伝え、3ページ目のタイトル「Mattermark is Google for Business People」でどのような会社なのか伝えています。
The problem
会社が解決する課題を整理したページです。データに基づいた情報をビジネスを行うに際して手に入れることは簡単ではないという見出しとともに、「CRMのソフトウェアを買っても中身は空で自分で整備が必要」「多くの人が同じような情報を探している、同じような情報をエクセルに整理している」など具体的なニーズを整理しています。そして、3ページに渡ってビジネス関連の情報検索の例をとって、Googleでは必要な情報を簡単に得ることが出なきないという事実を視覚で実証しています。例えば、「SAAS(Softwear As A Service)の市場の大きさ」「2013年のシリーズAファンド案件すべて」などを検索しても、ダイレクトに答えてくれる情報にあたるわけではありません。Googleとエクセルの組み合わせが効率的ではないということを示しています。このような実例を見せて、会社が解決しようとする問題点を示すのは効果的です。この書類では、ビジネスパーソン向けのグーグルと言ってもググればたいていのことがわかるのでは?という疑問に対して、誰もが1回は経験している体験を視覚的に提示することで、あるある、という理解を作ることに成功しています。
Market SizeとForecast
マーケットのサイズは潜在顧客を領域別に延べ数を表示し、それをもとに最大獲得できるマーケットとして3000億円のし上があると推計しています。その後、現在のMRR(月間経常収益)とその伸び率を占めしています。市場規模に対して年間1.5億円程度とささやかな数字ですが、20%という定常的な伸び率とMRRという定期的に安定的な収益基盤を作ることを目剤していることを占めしています。その後、収益計画を説明しています。
すでに一定のビジネスを成立させているということから、ユーザーへのチャージスキームなどをビジネスモデルとして書くのではなくフォーキャストとして明示することで確実な投資だというメッセージを伝えることを意図しているようです。
Leadership Team
メンバーの紹介は事業計画においてもっとも重要な情報のひとつです。Mattermarksは他の企業に比べて多くのページを割いてひとりひとりバックグラウンドや経験を説明しています。金融機関やコンサルティングファームなど相手にするB2B領域の会社で、専門的なデータや分析の知識が必要となるサービスということで、プロフェッショナルがリーダーシップチームにいるということを証明することが他のB2Cサービスに比べて重要だということだと思います。どの程度の情報粒度でチーム紹介をするかはビジネスの性質によって違うということを示す良い事例だと思います。
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