ハリウッド映画を英語字幕で見たり字幕なしで見ることを繰り返してみたけど、英語が聞けるようにならないし、上達している感じもしない、TOEICの点数も変わらないとソーシャルメディアなどでよく見かけます。
身近で、楽しく、ホラーから恋愛ものまで選択肢も多い映画を見ることで英語が勉強できるのであればいいのですが、漫然とただ観ているだけではなかなか効果がありません。効果的に映画を英語上達の手段に使うTIPSを紹介します。
映画が英語学習に効果がある理由
映画を観るよりもしっかりとしたテキストを読み込むことの方が効果が高いという意見もありますが、映画ならではの良さもあります。
リアルな英語を学べる
書籍やテキストブックで学ぶ英語は、正しい英語ではありますが、ネイティブが日々使っている英語ではありません。This is a penという例から始まり、Nice weather we are having today、It’s rainning cats and dogといった表現は、文法や慣用句としては正しくても口に出して使うことはありません。
一方で、映画で中で使われる表現は、古い映画や歴史映画のようなものを除いて、一般的にネイティブが日々使っている単語や表現が使われています。生きた、リアルな英語の教材として、スピーキングを上達させるために映画は効果的なコンテンツです。
ストーリーに関わることで記憶しやすい
単語や表現を学んでいくにはある一定のかたまりとして記憶していくことや、関連する事象やイメージに連動するのが近道です。TOEICで使われる単語１０００といった教材でランダムに言葉を学ぶよりも、１０～２０作品の恋愛映画を見ると感情表現や異性に思いを伝える表現、愛を示す言葉などを網羅できると思います。
同じく、刑事物を見れば犯罪に関するキーワードを網羅できます。しかも、単語を覚える際に、単に意味を理解するのではなく、どのような場面で使われるのか、どういう感情が背景にあるのかなど単語が使われるコンテキストを同時に学ぶことができるため、実際に会話・文書などで利用しやすい記憶が作られます。
言い方、伝え方を理解する
英語では一般的にコミュニケーションで単語が表現するのは7％だけで、残りの93％は声のトーン、表情、ボディーランゲージなどの非言語の要素と言われています。つまり、実際に会話するには教科書の英語を淡々と読み上げるのではなく、非言語の要素が必要となります。
この非言語領域は国や文化によって違います。有名なところでは、多くの国では横に頭を動かすと否定や同意しないことを表しますが、インドでは横に頭を動かすのが同意になります。映画を通して表現を記憶することは、単語だけはなく非言語要素も同時に知ることができます。
声のトーンや強調する部分によっての変化も大きく、I love youというシンプルなフレーズも、戦闘や喧嘩などの後で恋人同士が想いを伝える場合はloveを強調する場合が多いですし、浮気や一緒に取れる時間が少ないことですれ違っている際の謝罪ではyouを強調して、the oneであることを伝えています。
映画で英語を学ぶ際のTIPS
ただただ英語字幕で映画を観るだけでは苦痛なだけで、英語の上達には通じません。そこで、身になるためのTIPSを紹介します。
自分にとって面白い作品を選ぶ
映画を集中して観れなず、飽きてぼーっとしてしまうと日本語で観ていても頭に残りませんが、英語や英語字幕で観ていれば余計記憶に残りません。当たり前ですが、自分が楽しめる作品にしましょう。
自分のレベルにあった作品を観る
ビギナーであればあまりセリフの多くない子供向けのアニメーションが最適です。最近はスポンジボブなど大人が十分楽しめる作品も多いです。たとえ恋愛ものが好きでも、よほど英語に慣れていないとロミオアンドジュリエットのようなシェークスピア作品は古語が使われていますし、おすすめできません。それよりもプリティウーマン、トワイライトといった現代テーマの作品をおすすめします。
フレーズをリピートする
作品を通して観るのも良いですが、英語上達のためには気になったフレーズやシーンを繰り返し観ることをオススメします。何度も観たり、シャドウイングすることでフレーズ、トーン、ボディーランゲージなどがしっかりと記憶に残ります。
加えて、耳に慣れていくことで、同じフレーズが他の作品に出てきたときにもすっと理解できるようになります。最初は無理に長ゼリフを聞くのではなく、短いフレーズ”Sure things”, “Gottcha”など短いフレーズだけでもいいと思います。
難しい部分があっても気にしない
早口、長いセリフやテクニカルな単語が続くなど、たとえ英語字幕をつけていても理解が追いつかないことはあると思いますが、まずは気にしないで興味ある部分を増やしましょう。
最低３回観る
最初は英語字幕ありで、その後字幕なしで・・とは言われていますが、英語のレベルによっては字幕なしでは効果が全くないと思います。一方で、スタートレックやスターウォーズといったSFのような技術用語が多い作品、黒人が主人公の刑事物やコメディなどスラングが多い作品は、そこそこ英語がわかる方でも字幕なしでは意味不明になると思います。字幕の有無よりも、同じ作品を何度か観ることが重要です。
リピートすることで前後のコンテキストがわかるにようになりヒアリング可能になるなど、複数回観ることは重要です。恋愛作品を６作品１回づつ観るよりも、２作品を３回見た方が学習効果は高いです。
英語学習におすすめ作品
ファインディング・ニモなどピクサー作品
ディズニーとピクサーが製作するフル３DCG作品群は、子供にも楽しめるように作られているため比較的平易な表現が使われています。トイストーリー、モンスターズインク、カーズなど多くの名作がありますし、トイストーリーは１－３まで３作、モンスターズインクはモンスターユニバーシティと２作品、フィインディング・ニモはファインディング・ドリーと２作品、カーズは１－３まで３作品とシリーズ化されているため、一つの作品で覚えた単語や表現をシリーズ内で何回か使われることで記憶しやすいです。
加えて、シリーズものの利点は、キャラクターの名前が継続することが多いので、記憶しにくい登場人物の名前をおぼえていけるので、固有名詞で時間をとられることが少ないです。
また、ピクサーは長編だけでなく短編も多く作っています。モンスターズ・パーティー、ジャック・ジャックとエドナ、月と少年といった短編作品は時間がない方には最適かと思います。
レゴ・ムービー
スターウォーズ、アベンジャーズ、バッドマン、スパーマンなどヒーローものが好きな方でも、滅多に聞かない技術用語だったり、バットマンや多くの敵役の声が低くて小さくて何を言っているのかわからないということで、とても敷居が高くなってしまいます。そんな方には、子供向けの作品ながら意外と深いレゴ・ザ・ムービーをオススメします。
色々な作品のパロディとしても楽しめますし、カジュアルな表現ながら本気のSFやヒーローものよりも聴きやすい英語です。ぱっと見はしょぼいのですが、シュレックを撮った監督に、豪華なハリウッドスターが行うボイスアクトと、予想以上にちゃんとしたものです。
ノッティングヒルの恋人
アメリカ英語、イギリス英語どちらを修得したいのか、違いについて興味があるという方に最適なのが「ノッティングヒルの恋人」です。冴えない書店の主がアメリカ人の女優に恋をするロマンティック・コメディです。イギリス英語を話す主人公のヒューグラントと、アメリカ英語のジュリアロバーツの掛け合いは言葉の違いがよく表現されています。
ウィンブルドンという映画も同じようなイギリス人、アメリカ人の組み合わせが出てきます。ベタベタのラブコメディが嫌いな方はこちらの方がオススメです。
ハンガー・ゲーム
あまり考えなくても観ていられるアクション映画ということであれば、ハンガーゲームがオススメです。近未来のアメリカを舞台に、殺人サバイバルのゲームが行われるアクション映画ですが、ロマンスもあれば、政治もありと、英語で学んでおきたい要素がそろっています。
予告編を楽しむ
そもそも時間がないという方には映画で学習することはおすすめできないですが、待ち時間や頭の切り替えなど隙間時間で映画で英語を楽しむのであれば予告編だけを英語で観ていくのも効果的です。予告編ではパンチラインと言われる作品を象徴するシーンやセリフが使われるので、記憶に残りやすいです。
字幕なしの最新のトレーラーを観ていくのは、何度も見返しやすいのもあって続けやすいです。YouTubeにはジャンル別の予告編をまとめるチャネルがあります。
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