子供向けから大人も楽しめるチャネルへと舵を切ったNHK教育テレビ、せっかく受信料を払っているのであれば楽しんだほうがよいかと。
我が家は数年前から東芝のREGZAサーバーを導入して24時間2週間分をNHK、Eテレを含むすべてのチャネルを自動で録画して、面白そうな番組があれば見るようにしています。この方法であれば、わざわざ番組を事前に調べる必要もないし、放送時間に縛られることもなく、空いた時間にざっと見ることができます。
テレビなんて見ない、テレビこの頃見てないという人も僕の周りに多いのですが、ワールドカップは見るし災害ニュースは見たいし、せっかくお金を払っているのであれば楽しむ方法を見つけた方が建設的かなと。
とはいえ、そんなにテレビに集中して時間を使うわけでもないので、10−15分程度の長さで、玄人受けする出演者を起用して、大人でもかっこいい・・と思ってしまう妙に実験的なことをしているEテレは、ネットコンテンツ的に消費できるので気に入っています。
おすすめのEテレ・コンテンツ
ロンリのちから
論理的思考力(クリティカル・シンキング)を養うことを目標にした高校生向けの番組です。あつかっているテーマは三段論法、類比推定、仮説形成などとてつもなく固い内容で、ホームページもTHE教育番組という雰囲気です。
実際は透明感ある映像で、緒川たまきさんがメガネ女教師としてリードするドラマ仕立てで教えてくれます。第1話のスタートから、画面いっぱいに映る女子が「私はあなたが嫌い」「私は女子」「女子はあなたが嫌い」としゃべるところからスタートします、心が痛い。
この例は誤った三段論法だということを推論の基本を説明することを通じて解説していく中で、そこここに挿入される意味不明なダンス 、スタイリッシュな画面に大きな文字という演出がクールです。10分程度と短いので世界観に圧倒されている間に終わります。
ムジカピッコリーノ
フジロックにもメンバーがバンドとして出演しているほど有名なのですが、Eテレを見ている人であれば絶対見ていて、知らない人はまったく知らないという知名度の番組です。
音楽の失われた世界で音楽の力でモンスターを退治するストーリーを通して、音楽や楽器を学べるという番組、2013年に始まって今年シーズン6を放送中。
毎回、ロック、ジャズ、クラシックなどジャンル別の音楽がフューチャーされ、楽器やその技法について解説していく無いようなのですが、スチームパンクの世界観が作り込まれている上に初代のROLLYから始まり実力派のミュージシャンが参加しています。
治療のために演奏される音楽の中には、クイーン、モンキーマジック、ダフトパンクなど往年の名曲も混ざっていてOne More Timeとか涙が出そうです。
Why!?プログラミング
国際エミー賞にノミネートに2017年ノミネートされた番組で、厚切りジェイソンが小中学生向けにプログラミングの基礎を教えている番組で、現在20話まで放送されています。Scratchという聞いたこともない言語を使っているのですが、MITメディアラボが子供向けのGUIを活用した言語とのこと。
この番組の教え方が気に入っていて、あるアプリケーションにエラーが発生して厚切りジェイソン率いるレスキュー隊がそれを直していくというストーリーになっています。
僕が子供の頃はコンピューター雑誌に掲載されていたBASICで書かれたゲームプログラムを必死でコピーして打って、当然動かなくて、見直して、見直して、完コピしてもたまに雑誌の掲載ミスで動かなかったり。遊びたいので、必死にコードを見直して直して・・ということを繰り返していました。
この方法の方が正直Hello Worldを画面にプリントすることから初めて、IF分、FOR分、型定義など文法を憶えていくよりも、動かすアプリケーションのイメージがあって、それを動かすという目的意識がある方法の方が高い学習効果を得られるのでは。
僕はコードをCUIで書いていく姿に憧れている部分もあったので、GUIベースのScratch自体には魅力は感じないので、この内容でPythonだったらいいなと。
Q
こどものための哲学という副題がついていますが、子供にわかる哲学という時点で哲学です。さらに題名は英語でQ PHILOSOPHY FOR CHILDRENとさらに突き放されます。
番組がはじまるとぬいぐるみが出てきて、通常のEテレワールドに戻って安心します。キャラクターたちが「なんで勉強しなければいけないの」「みんなで対話しよう」などテーマごとに議論していく形式で、主人公の少年Qの声は本田翼が担当、脚本はAlways 3丁目の夕日、少年Hなどの脚本を担当した古沢良太という布陣です。
仮設をたてて、前提を疑って、比べてというステップを通じて物事の本質を議論していくという内容で、哲学なので最後は自分で考えることをすすめて終わるというフォーマットで、現在10話まであります。「でかいハナクソがとれるとうれしいのはなぜか」というテーマがあまりに哲学で、感動すると思います。
最後に
今回記事を書くにあたってウェブサイトに行くと多くの番組ですべての過去放送がネットで視聴できるという素敵なEテレ。この他にも定番有名コンテンツの「天才てれびくんYou」「えいごであそぼ」「ビットワールド」「大科学実験」などもおすすめ番組はたくさんあります。