企業のソーシャルメディア運用はブランドにあったコンテンツを制作・投稿し、ライクしたりフォローしているユーザーの反応を分析する必要があります。さらに複数アカウントがある場合はそれぞれ管理しなければならないので予想以上のコストがかかります。そこで、複数のソーシャルメディアプラットフォームや同一プラットフォーム内のアカウントを一括管理し、投稿を事前に予約するなど、管理担当者の方の負担を大幅に減らすツールとして充実した機能が使えることで人気となっているのがBufferです。
Buffer事業計画書
提案年 | 2011 |
調達額 | $500K |
投資家 | Dharmesh Shah (Hubspot), Hiten Shah, Guy Kawasaki, Peter Bordes, Gady Nemirovsky, Robert Fanini, Thomas Korte, Shan Mehta, Keval Desai, Maneesh Arora, Jay Gould, Andy McLoughlin, Gordon Paddison, Eric Kim, Jay Baer, Gokul Rajaram, Harvey Brofman, Graham Jenkin, Adii Pienaar, Jim LeTourneau, Alberto Benbunan |
Bufferとは
FacebookやTwitterなどソーシャルメディアは毎日投稿をしたり、フォロワーやコメントの反応を分析してフィードバックをしたりと管理するには時間と工数がかかります。そこで、ソーシャルメディアの運用ツールを利用して複数のソーシャルメディアにまたがって管理をしたり、投稿を予約して運用負担を減らす努力がされます。その中で、フリーミアムを活用し無料でもそれなりの機能がりようできるサービスとして著名なのがHootsuiteとBudderです。
マーケット・ファンクション
プレゼンの冒頭はソーシャルメディアの重要性が増していること、その中で予約投稿が重要というとてもシンプルで機能を絞った説明をしています。すぐれた事業計画書の共通点として、実際には多くの機能を持っていたとしても、説明をするのはもっとも重要な機能に絞り込んで説明することで、かならずしも専門家ではない聞き手に理解しやすい説明を心がけていることだと思います。
ビジネスモデル
フリーミアムのビジネスモデルの場合に重要となるコンバージョンレート、チャーンレート、ライフタイムバリューの3点を端的に説明しています。
・2%の有料版へのコンバージョンレート
・5%の解約率
・240ドルのライフタイムバリュー
・目標とするユーザー数
ビジネスモデルという言葉はビジネスモデル特許などの影響もあり誤解のある言葉で、プロダクトの仕組み、関係者、機能など多くのことを説明するのがビジネスモデルと考えている人がいますが、ビジネスモデルは「どのようにレベニューを生み出すのか」という会計・財務の視点の言葉です。獲得するユーザー総数、有料版転化率、解約率によってライフタイムバリューを算出することでレベニューを説明しています。
トレンド・機能の有効性
マーケット概要からビジネスモデルに移行したあとに、またソーシャルメディアのトレンド、予約投稿がどのような効果を果たすのかといった説明に戻るためストーリーが前後しているように感じます。機能性とその効果を4ページ離して説明するよりもBufferの最重要機能は予約投稿、そして予約投稿は200%クリックを増やすという説明をしたほうが効果的だったかもしれません。
競合環境
競合環境は分析・ダッシュボード・運営など4つの機能別に競合他社を整理しています。突然複数の機能がでてくるため唐突感は否めませんが、マーケットに存在するプレイヤーを認識しているということを証明しているという点では十分な説明を果たしています。
とてもシンプルなプレゼンなのでわかりにくいということはないのですが、ストーリーの組み立てとしてはいまひとつ整理されていないプレゼンです。また、すでに5万以上のアカウントがある状態にもかかわらずユーザーの声がないというのもカスタマーフォーカスではない印象を受けます。
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