インデックス投資の人口

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投資には株式投資、投資信託、外貨取引、国際、債権、仮想通貨、エクイティ、暗号通貨など多くのクラスがありますが、この10年でもっとも注目が集まり成長しているのは投資信託、その中でもインデックス投資信託です。では、どの程度の人がインデックス投資をしているのでしょう?投資先進国のアメリカでは全投資家の30−40%の人がインデックス投資を主な投資戦略として採用していると言われています。

 

インデックスファンドは日経平均、SP500などマーケットの平均値を形作るインデックスを真似てインデックスと同じ動きをすることを目的としたファンド(投資信託)です。このインデックスを追従する仕組みのため、マーケットのインデックスを越えようとするファンドをアクティブファンドというのに対して、インデックス投資のファンドはパッシブファンドと言われます。

アメリカでのインデックス投資の現状

金融や個人投資について日本よりも発達しているアメリカでもインデックス・ファンドの勢いは増しています。大手格付会社のムーディーズのレポートによると、2016年にインデックス・ファンドはアメリカマーケットの29%(約450兆円)を占めており、2024年までにはアクティブ・ファンドのシェアを超えて最低でも50%を超えると予想されています。

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Source: 2017 Investment Company Fact Book

この背景をムーディーズのリサーチャーは、投資家がアクティブ・ファンドは市場平均のパフォーマンスを超えることが難しく、勝つのか負けるのかわからず、勝者がいれば敗者が必ず生まれてしまうゼロサム・ゲームだと考えている人が増えているからだと結論づけています。

また、手数料の安さというのも魅力となっています。100万円に対して400円以下という手数料で運営されており、投資額の数%を手数料として請求するアクティブ・ファンドに対して、低い手数料により投資家の取り分が増えて、資産が増える可能性が高くなるということが言われています。2016年平均では、アクティブ・株式ファンドの手数料平均は0.82%、アクティブ・債権ファンドが0.58%に対して、パッシブ・ファンドは株式で0.09%、債権で0.07%という大きな差があります。

手数料の重要性については、100万円を投資した時に金融機関と個人投資家が受け取る金額を20年間の投資について比較した数字が公表されています。たとえ1%程度の手数料でも毎年1%手数料がかかる違いが20年という長期でどの程度の違いになるのか、インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドで比較したグラフですが、20年では10倍の差が発生するというのは複利の影響の大きさを示すものです。

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Source: Fidelity Investments

モーニングスターによると50%以下のアクティブファンドは10−20年というスパンではマーケット平均のインデックス以下のパフォーマンスとなります。これから10年後勝っているだろうファンドとその運営金融機関を選定することの難しさに比べると、インデックス投資をすることはリスクの少ないオプションになります。

 

インデックス・ファンドのネガティブなインパクト

インデックス・ファンドの拡大の負の側面がないかというと、低い手数料でも運用できるよう多くの投資を集める一部の金融機関が有利になり寡占化が進むと言われています。アメリカではヴァンガード・グループ、ブラックロック、ステート・ストリートの3社が大きなシェアを占めることとなっています。投資信託とETFにおいての上位5社のシェアは2005年には36%でしたが、2016年には47%を占め、上位25社で76%を占めています。また、インデックスに追従するだけなので、マーケット全体が大きく下がる局面では投資家の資産を守る手段となりえないことも指摘されています。

それでもインデックスが信頼されているのは、2008年という金融危機の際に行われたアンケートでも個人投資家の72%が投資信託が資産形成のゴールに役立っていると答えているということからも理解できると思います。

インデックス投資の今後

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世界で最も有名な投資家のひとりウォーレン・バフェットはインデックス投資はしていません。ただし、「定期的にインデックス投資を行うことで、まったく知識のない投資家が多くの専門家のパフォーマンスを超えることができる」と言っており、個人投資家の戦略として推奨しています。

インデックス投資は、他の戦略に比べて高い「透明性」、「多様性」、「効率性」を占めしています。多様性については、すべての人がインデックス投資をしたらリスクマネーを提供する人がいなくなり成長がとまるという論旨でインデックス投資の成長限界を唱える人もいます。すべての人が同じインデックスだけに投資すればその可能性がありますが、国内・グローバルなど複数のインデックスに投資することや、複数のインデックスを複合して加重をかけて運用されていることなどを考えると、成長が低下するとは考えられません。

インデックス投資をする個人投資家の数、インデックス投資信託の数は継続的に拡大すると考えられます。

 

参考にした情報

ICI(Investment Company Institute)という投資信託に関する団体のファクトブック(英語)

MSCI – WHY INDEX FUNDS PROMOTE MARKET EFFICIENCY